第5話

 勇人は急いで山へと車を走らせた。

 木霊のいる山へと。


 木霊(こだま)。

 樹齢100年以上の木に宿る妖怪だ。


 その姿は、子供とは言いがたい切り株のような姿だったが、言動は幼稚な妖怪だった。


「ぼくでだいじょうぶかな?」

「じゃないと困る」

「みえるかどうか、あったことないからほしょうはできないよ」

「ああ、分かってる。だけど、他に頼る当てがない」

 勇人は、木霊を車に乗せて借家に戻るのだった。

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