「喧騒」


気がつけば街が囁く生活音に独りにされていた。

手持ち無沙汰な両手を自分ごとポッケに隠した。


見知らぬ人を見知ったバスが運んでいく。

きっとどちらにとっても当たり前なことで

人生においてのオマケみたいな時間だろう。


じゃあそのオマケな時間をただただ眺めている僕にとっての今の時間はどんな時間なのだろうか。


まだかろうじて生きていることを呼吸を止めて確かめてみる。


身勝手な誰かの文字が言葉が僕を生かしていく。


そして気が付けば知らない土地にいる。


体と心のどちらに連れて来られたのだろう。


ほらまた、どこかで涙の音が。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る