「ゆれる」
君の匂いで目が覚めた。
もうすぐ途切れそうな夜明けだ。
そしてあの日一緒に眺め描いた夢ももうすぐ途切れそうにいた。
「また一つずつ思い出に火を灯していこう」
そう言われても返事はできなかった。
一度でも棘を孕んだ音を放った君の口から漏れた言葉。
また同じような温かさを持ったものにはどうしても聞こえなかった。
そっときゅっと、目を閉じる。
それでも儚くまだ君との夢を望んでいた。
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