「虚空」


さっきまで鮮明だった世界。

君はそこにいたはずだった。


夢を見ていた。

夢は叶ったところから現実だから。

だから私は夢が好きで、追いかけ続けるの。

よくそんなことを言って聞かせてくれた。


温かく、朧げで、儚い。

そんな夢だった。


さっきまで君がいた幻想。

さっきまで僕がいた未来。


転んだことにも気がつかないまま、遠い夜に君が笑う。



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