第2話 幼馴染の峰子の告白
山本は昼食をすますと、信子の隣人の叔母さんの家に約束した時間に訪れた。
叔母さんは念入りに化粧をした顔で微笑みを浮かべて山本の顔を見ると、挨拶する間も無く、玄関先で昨日の警察の聞き取りなどで大変だったことを暫く聞かされた。
居間に案内されソフアーに座ると、冷蔵庫から、すでに用意しておいた高級そうな洋菓子を取り出し受け皿に乗せ、湯気の立つお茶と一緒にお盆に乗せ持って来た。
やたらとサービスが良かった。どうも、暇を持て余しているようで若くて、今風の格好の良い山本とゆっくりと話がしたいようだ。
山本はソファーから腰をあげ名刺を差し出し、挨拶をすると、「○○新聞の記者さんだったのね。家でも、毎日○○新聞見させて頂いているのよ!」と言って叔母さんもソファーから腰あげると自己紹介をしてくれた。
「私は亡くなった信子と小学校に通う前からの幼馴染の峰子と言います」
挨拶が終わると、山本は昨日、峰子から聞いた、「不幸を自ら招き入れ、不幸を背負いながら生きて来た、可哀そうな女性よ!」について信子の人生がどのようなもので合ったか取材をしたいこと話し、信子の生い立ちと生活内容などについて、峰子の分かる範囲で教えてほしいとお願いした。
峰子は頷きながら「信子とは小さい頃から友達で良く話しをしていたから信子の事なら良く知っているわ」と言って、奥から埃の被った古いアルバムを持ってきて、開き一枚の写真を指した。
白黒の写真で小さい頃の信子と峰子が手をつなぎ、笑い顔で写っていた。
「ねえ、見て、信子は太っていてかわいいでしょ? 小学校、中学校は毎朝一緒に通ったのよ」と言うとアルバムをめくりながら生い立ちを話し始めた。
信子は東京で生まれ、太平洋戦争で東京が空襲に遭い、疎開して来た。父親は東京で店を開いており、お金持ちでいつも綺麗な服を着て、美味しいそうな食事をして羨ましかったそうだ。
小学校、中学校の時は性格も明るく、積極的で、絵が好きで皆から慕われ、尊敬されていた。
高校三年生の十八歳になる頃から元気が無くなり、無口となり性格が変わって行った。
二十三歳頃からは気が荒くなり、妹の悪口をよく言うようになった。
二十七歳頃からは明るくなり結婚するかもと言っていた。
三十三歳頃からは
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