第9話 朝日視点

僕はいつものように会社に出勤し、篠崎さんを探してしまいます


あっ!見つけました

今日も出勤が早いですね


「おはようございます。篠崎さん」


「おはようございます。朝日さん」


僕は日曜日に二日酔いで頭痛が酷くずっと寝込んでいました。


あれから飲み会のこと思い出そうとするんですが、やっぱり何も記憶にありません。


「あの、飲み会のことなんですが…」


「はい」


篠崎さんとお酒を飲む夢が叶わなかったんですよねー

残念でした


「篠崎さんとお酒を飲むことができなくてすごく残念でした」


「えっ?」


ん?なんか変なこと言いましたかね?


「ええーーーーーー!!!」

急に江ノ島さんが大声を出しました


「す、すみません続けてください」


びっくりしました

篠崎さんはあまり驚いてないんですね

すごいなあ


お化け屋敷とかもあんまり怖がらないタイプなんですかね?

僕は幽霊とかほんとダメです



「そうですね。今度の飲み会でお話できるといいですね」


「はい!」


嬉しいです!

まだチャンスはこれからですからね!


「それでですね…」


それから僕は話を続けようと篠崎さんの顔を見たとき、僕の顔を見ずに話していることに気がつきました


なんで目を合わせてくれないんでしょうか?


「…」


「あれ?、篠崎さんなんでこっち向いてくれないんですか?」


「…」


返事もしてくれませんね

意地悪されてるんですかね?


「篠崎さーん」

僕はどうしても篠崎さんの目を見てお話したかったので目線を合わせようと思いました


ふいっ


あれ?逸らされました

やっぱり意地悪ですかね?


「えっ、篠崎さん!」


また、無視されました

僕が何かしちゃったんですかね?


ふいっ


「し・の・さ・き・さーん」


もう!

こうなったら顔を近づけるしかありません!

恥ずかしいですが、やりますよー!


ふいっ


そんなー、酷いですよ

僕は知りません


「もうー、そんなに目線を逸らすなら僕も今日は話しかけませんからね」


プイッ


「えっ」


今日は篠崎さんの顔を一回も見ないと決めました!


篠崎さんに無視されたぶん仕返しです!


ーーーーーー



仕事も終わりましたが、篠崎さんあれから一回も話しかけてくれませんでした

よくよく考えてみるといつも話しかけるのは僕からな気がします


あんまり仲良くなれていないんですかね


「あっ、朝日さんお疲れ様でした」


わっ!篠崎さんに挨拶されました。ど、どうしたらいいですかね?


い、いや今日は篠崎さんの顔を一回も見ないって決めました!


「ふっーん」


どうですか!完璧ですね!

明日またお話しすればいいですからね

悲しかったことへのせめてもの抵抗です!

今日は帰りましょう


「朝はすみませんでした」


えっ?、謝られました

ど、どうしたらいいですかね?

そんなつもりじゃなかったんですが


「うっ、そ、そんなに怒ってるつもりはありません。ただすごく悲しかったんです」


「はい、私も朝日さんと目が合わないのは寂しいです」


「本当ですか?」


「はい」


「ほ、ほんとの本当ですか?」


「はい」


篠崎さんも寂しかったんですか

僕だけじゃなかったみたいですね

よかったあ


「じゃあ、仲直りです」


「はい」


えへへへ、これでまた篠崎さんといっぱいお話しできますね


「飲み会で私が朝日さんを膝枕してしまったので変に意識してました」


「ふぇ?」


今、篠崎さんなんて言いました?

ひ・ざ・ま・く・ら?

『膝枕』ですか?

篠崎さんが僕を?えっ?


「では、また明日」


えっ?帰っちゃうんですか?


「は、はい」


膝枕…

篠崎さんが僕を膝枕…

ボフン!


「ふえーーーー」



会社員

(((((癒されるわあ)))))



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ワンコ男子とクール女子 お昼寝 @Akihito0806

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