第8話 篠崎視点

「おはようございます。篠崎さん」


「おはようございます。朝日さん」


今日からまた仕事が始まるのだが、私は朝日さんの顔をまともに見ることができない


朝日さんの顔を見ると飲み会のことが頭に浮かんでつい目を逸らしてしまう



「あの、飲み会のことなんですが…」


「はい」


ドキッドキッ

私の心臓の音大きい!

聞こえてないかな?


「篠崎さんとお酒を飲むことができなくてすごく残念でした」


「えっ?」


「ええーーーーーー!!!」

急に江ノ島さんが大声を出した


びっくりしました

朝日さんもすごいびっくりしてる

かわいい



そっか、覚えてなかったのか


「そうですね。今度の飲み会でお話できるといいですね」


「はい!」


じゃあ、意識してたの私だけ?

恥ずかしい


「それでですね…」


「…」


「あれ?、篠崎さんなんでこっち向いてくれないんですか?」


「…」

(き、気まずい)


私はどうにも目を合わせることができず目線を逸らした


「篠崎さーん」


すると朝日さんが私の逸らした目線に顔を合わせてきた

どうしても目を合わせたいらしい


ふいっ


私は思わず顔を逸らしてしまった

恥ずかしい


「えっ、篠崎さん!」


また顔を近づけてきた!


ふいっ


「し・の・さ・き・さーん」


近い!近い!近い!


ふいっ



「もうー、そんなに目線を逸らすなら僕も今日は話しかけませんからね」


プイッ


「えっ」



仕事が始まってしまった



ーーーーーー



残業も終わったし帰るか


「あっ、朝日さんお疲れ様でした」


私は帰る前に挨拶をと朝日さんに声をかけた



すると、目線を合わせずプクーっと頬を膨らませる朝日さんがいた


「ふっーん」


どうやら、いじけているらしい

なかなか目を合わせようとしてくれない


「朝はすみませんでした」


私は素直に頭を下げた


「うっ、そ、そんなに怒ってるつもりはありません。ただすごく悲しかったんです」


すごく目がウルウルしてますね


「はい、私も朝日さんと目が合わないのは寂しいです」


「本当ですか?」


「はい」


「ほ、ほんとの本当ですか?」


「はい」


「じゃあ、仲直りです」


「はい」


そういうと朝日さんは笑った


どうやらご機嫌は直ったらしい

いつものようにニコニコだ


「飲み会で私が朝日さんを膝枕してしまったので変に意識してました」


「ふぇ?」


「では、また明日」


「は、はい」


私はスッキリな気分になり帰るのでした



ボフン!


「ふえーーーー」


真っ赤になった朝日さんには気づかずに




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