第5話 篠崎視点

変わった席の隣にいたのは


頬が赤く染まった『ワンコ王子』



「あれ?篠崎さんだー!えへへへ」


(オーマイガー)


「やっと篠崎さんとおしゃべりできます!嬉しいれす!えへへへ」


(この子は私の理性の限界を試そうとでも思っているのか?)


「すみません、楽しみにされていたのにすぐに来ることができず」


「えへへへ、いいですよー。だって篠崎さん来てくれたじゃないですかー」


酔っ払ってるよね?

大丈夫かなあ?


「そうですか」


「それより楽しいお話しましょう!」


「楽しいお話ですか?」


「そうです。篠崎さんの好きなものはなんれすか?」


「私は犬が好きですね」


「犬ですかー!『ワンワン』かわいいですよねー!えへへへ」


「うん!?うーん!んん!!」


「どうしました?大丈夫ですか?」


やばい!鼻血が!鼻血が!

あざとすぎる!でも、かわいいー!!


「朝日さんも…犬好きなんですか?」


「好きですよ!動物はみんな好きです!」


「ふふっ、私もです」


「あっ、笑ったー!篠崎さんが笑いましたー!」


「えっ?そうですか?」


「はい!いつもはカッコいいですけど、笑うとすごくかわいいですねー!」


(ブワァァッッ!!!)


「あれ?篠崎さん、お顔が赤いですよ?お酒の力ですねー」


「そ、そうですね」


やばい!やばい!やばい!


「えへへへ」


(あっ、犬耳が…しっぽが…見えてきた)


ナデナデ


「えっ?」


「あっ、すみません」


(何やってるんだー!私はー!)


無意識のうちに朝日さんの頭を撫でてしまっていたらしい



「やめちゃうんですか?」


(あー、エサを欲しがってるときの『ワン蔵』が重なって)


「もうー」


ワシャワシャワシャワシャワシャ


「えへへへ、気持ちいいーです」


(っは!やばい!やってしまった!)


「す、すみません」


「いえ、ちょっと眠くなってきました」


「えっ!?」


なんとそのまま『ワンコ王子』は私の膝の上で寝てしまいました


スピー、スピー


私は寝ている『ワンコ王子』の頭を撫でながらつい言葉が漏れるのでした


「ふふっ、かわいいなあ」



「「「「「「ズキューン!!」」」」」」


「?」

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