第4話

「ごめーん、篠崎さん。前から江ノ島さんと話してみたかったから席変わってくんない?」


私達に話しかけてきたのは、神崎 辰哉(かんざき たつや)さん。この会社のエースと呼ばれてみんなに信頼されている人である。

黒髪の短髪でいかにも俳優にいそうなイケメンさんである。


「わかりました」


私は相手が先輩なこともあり席を譲ろうと思った時だった


「待って篠崎さん。いかにも酔い潰してホテルに連れて行こうなんて考えてそうな男と二人きりにしないで」


「あー、じゃあどこに座れば?」


「んなわけねーだろ!頼むよ篠崎さん、席かわってくれ」


「いや、でも」


こういう時ってどうすればいいんだろう?

でも、やっぱり江ノ島さんを守らないと!



私がそう意気込んでいると何やら二人でコソコソ話し始めた。

知り合いなのだろうか?



ーーーーーーー



『ちょっと、ほんとに何なんですか?通報しますよ?』


『待ってくれ、誤解だ。俺のかわいい後輩がさ、篠崎さんに気があるみてーでよ。二人きりにしてやりてーんだよ』



なるほど、狙いは私ではなく篠崎さんの方ですか。これは徹底的に守らなければなりませんね



『あー、なるほど。ですが、残念ですね。篠崎さんにはもう思い人がいるみたいですよ?』


『まじかよ!あいつもタイミングがわりーな』


『ちなみに何って方なんですか?』


『あー、朝日 椿って名前なんだけどよ。報われねーかなあ』


朝日 椿さんか、残念ですが諦めてもらうしかないですね

篠崎さんを守るためには仕方ありません


ん?


あさひ つばき?


『えっ?、朝日 椿って言いました?』


『ああ、それがどうした?』


篠崎さんが好きな人の話題になって顔を真っ赤にしていた思い人ではないですか!



『協力しましょう!篠崎さんの思い人はたぶんその方なので』


『まじか!強運だな!あいつ』



二人はガッチリと握手を交わすのであった




ーーーーーーー



「篠崎さん、私この似非イケメンとお話があるので席変わってもらっていいですか?」


「えっ?あ、わかりました」


「楽しんでくださいね」


「はあ、楽しむ?」



急に話が…

大丈夫なのだろうか?江ノ島さん



私は神崎さんのいた席についた



「あれ?篠崎さんだー!えへへへ」


(オーマイガー)

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