第3話 篠崎視点

現在、私は飲み会の真っ最中なのだが……


『ワンコ王子』を膝枕している


どうしてこうなった?





あんなに楽しみだと言っていた朝日さんには申し訳ないが、

私は同僚の江ノ島 恵(えのしま めぐみ)さんと飲んでいる



江ノ島さんは私と同い年で彼氏募集中らしい。

キレのある瞳とスッキリとした鼻、ふっくらとした唇に艶のある長い黒髪。


そして、なんと言ってもこの胸!

デカい!デカすぎる!


この人はモテる!間違いない!



「篠崎さんは最近彼氏出来ました?」


どうしたのだろうか?

あれだけ騒がしかった飲み会の場が一気に静かになった


「いえ」


「そうですかあ」


また騒がしくなった

どうしたのだろうか?


「いきなりごめんなさいね。私って人の恋バナを聞くことが趣味なんです。周りの人の甘〜い恋バナを聞くと胸がキュンキュンするんです」


「いえ、素敵な趣味だと思いますが」


「ありがとうございます。では、気になってる人はいますか?」


「まあ、はい」



「「「「「おおおー!!!」」」」」

男性社員はガッツポーズして立ち上がった



「あらあら、ふふふっ」


「どうしたんでしょうか?」


「えっ?、気づいてないんですか?」


「何がですか?」


「いえ、なんでもありません。これはモテるでしょうね」


「?」



私は騒がしくなりつつある飲み会の場と一緒にお酒がすすむのであった



『おい、椿!おまえ彼女いねーのか?』


ドキッ!


また騒がしかった飲み会は一気に静まる


『いや、いないです』


(ほっ)


「どうしました篠崎さん?、って、あらあら、なるほどねー」


あれ?なんで私ほっとしたんだろう?

朝日さんに彼女がいても関係ないのに


『じゃあ、気になる子はいんのか?』


『い、いますよ!』


「え?」


「あー、これはかわいい、ずるいなぁ」


「「「「「キャーー!!!」」」」」

今度は女性社員が周りの人と手を合わせながら喜んでいる



なんで私はこんなにドキドキしてるんだろう?


「篠崎さん、ライバル多いと思いますが応援してますね」


「え?いや、何の話ですか?」


「ふふふっ」

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