音声1

あのー、木村さんですか?


はじめまして、はい桜井里香です。

聞きたい事って、高2の夏休みの話でしたよね。

はい大丈夫ですけど、何から話したらいいかな。


----


男の子たちとは、あの日以来一度も会っていません。


栞里や美優とも、あの日以来距離があって、話さなくなって、あたしは同じ高校にいた従兄弟の知世と縒りが戻って、今も友だちです。

はい黒田知世です、調べて知っている?えっ?


あっはい、栞里は、雨宮栞里です。

彼女は甲斐くんと別れたって聞きました。

それからは誰とも連まず、卒業まで独りでしたね。

それまではオラついて目立っていましたが、あの日以来すっかり大人しくなって。


水野美優は同中の娘たちと縒りが戻って、まあウチら3人は栞里で繋がっていたから、彼女があんな状態だと連む理由もないというか。


だから卒業後は2人と繋がり皆無ですよ。


----


高1のバレンタインからだと思います、栞里と甲斐くんが付き合い初めたのは。


甲斐くんは6股かけていたらしくて、栞里もその一人だったそうです、彼女はそれを気にしないというか、容認してて。


バレンタインで修羅場があって、甲斐くんは3人と一斉に別れたらしく、それからは栞里を彼女認定してくれたそうです。

浮気を煩く言わない栞里が、都合良かったのだと思います。

でも継続して2人は浮気相手でキープしているって栞里に話したそうです、それであたしと美優は『甲斐くん6股かよ、サイテー』って栞里に内緒で笑っていました。


甲斐くんは大学生で、元は栞里の地元の先輩と付き合っていたそうです。

栞里が高1の春に、その先輩に誘われて甲斐くんの別荘に遊びに行った時、関係をもったと栞里が言っていました。


甲斐くんは東京に本社があるような会社の創業者の三男で、地元では誰も歯向かう人がいなかったそうです。

だから栞里に寝取られた形になった先輩も、表立って2人を非難することができなかったと栞里が楽しそうに話していたのを憶えています。


----


あたしと美優は、甲斐くんの話は聞いていましたが会ったことはなくて、何かやばいよねって、美優と話題にしていたくらいでした。

2人とも栞里が、手の早い彼氏にウチらを会わせることはないと思っていました。


それは甘い考えでした。


栞里が甲斐くんの正式な彼女になって初めての夏休み。

甲斐くんとキャンプに行くことになった栞里から『将生が、友達2人連れてくるから、2人も来て』と誘われました。

これって実質、命令なんですよね。


あたしも美優も処女だったので、これはいよいよ経験することになると覚悟しました。

できれば甲斐くんには犯されたくない、なので先に2人の友達と関係をもってしまえばと、美優と作戦を立てました。

当日どっちの男の子にするか決めて、被った時はジャンケン。

勝った方は、ハズレの男子とやった方に後日奢って、ノーサイドというプランでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る