ゴー・フォー・キャピタル その1
2469:名無しの>1天推し
おん、どういうこと?
2470:名無しの>1天推し
あの鬱陶しい会話通じないのが鳥ちゃんの不調の原因分かる気がしないけどな
2471:1年主席天才
フォンと>1が最初に出会ったことを覚えてるかい?
2472:名無しの>1天推し
そりゃあ……
2473:名無しの>1天推し
そうそう忘れんでしょ
2474:自動人形職人
鳥ちゃんが亜人族の大会の代表だったけど、
怪我をしてしまって、彼女を保護した>1が
鳥ちゃんを奴隷にして代わりに出場……そんな感じでしたよね
2475:名無しの>1天推し
おー
2476:1年主席天才
そうそう
2477:名無しの>1天推し
懐かしいな
2478:1年主席天才
あの時の怪我は結構な深手だったが、治療自体は出来た。
だけどフォンは飛ぶことができなかったわけだ。
2479:名無しの>1天推し
はい
2480:名無しの>1天推し
そうね
2481:ノーズイマン
鳥ちゃん……というか鳥人族は耐久度とか低いんだっけな。
体重めっちゃ軽いとか骨がスカスカだとかよく聞くし。
2482:名無しの>1天推し
あー、なるほど。
なのにあの火の鳥男は羽砕かれたのにすぐ飛んだあたり
普通の鳥人種じゃないかもってことか
生物学的なのか仙術だか魔法的なのかは分かんないけど
2483:1年主席天才
うむ。そういうことだね
こいつの回復速度は鳥人族のそれではない。
そこに理由があるのなら、フォンの不調を治せるかもしれない。
トリウィアが言ったのはそういうことだ。
2484:2年主席転生者
よく、わかりました。
2485:名無しの>1天推し
>1
2486:名無しの>1天推し
ん?
2487:2年主席転生者
「シュークェさん」
「ぬっ…………なんだ……これは――――なんと!? いつの間にか天地が引くりかえっている!?」
「違います。貴方が逆なんです」
「なるほど」
2488:名無しの>1天推し
草
2489:名無しの>1天推し
急に冷静になるじゃん
2490:ノーズイマン
キィー! またおもしろ担当か?
許せなくて脳髄ひきつるわ
2491:名無しの>1天推し
グロいな……
2492:ノーズイマン・デフォルト
仕方ないな……これでいいだろ?
2493:名無しの>1天推し
そういうことじゃないよ!
2494:2年主席転生者
「話をしましょう、構いませんか?」
「ふむ…………いいだろう」
2495:名無しの>1天推し
おぉやっと会話になるのか
2496:自動人形職人
にしても向こうはつるされてるのでどうにも絵面が酷いですね……
●
「確かに絵面が酷いな……」
フォンはぼそりと呟いたアルマが指を振るのを見た。
同時、シュークェの体の拘束が消える。
ついで彼女はもう一度指を振ろうとし、
「――――不要」
その場でシュークェは体を回転させ自らの足で着地した。
「――――」
僅かに空気が張り詰めた。
御影もトリウィアもパールも僅かに目を細め、アルマでさえ感心したように息を漏らした。
フォンもまた、驚く。
シュークェの行動は翼を用いた飛翔だった。
重力によって落ちるよりも早く、アルマが魔法で浮かせるよりも早く、翼で空を掴み、或いは空気に翼をひっかけて体を回したのだ。
フォンは知っている。
それは極めて難しく繊細な動作だ。
空中で飛行中に回転するならともかく、位置自体は変えずに天地だけを入れ替える。それも周囲にそよ風すら起こさずに。
「……まじ?」
フォンの知るシュークェはそんな繊細な飛び方ができる者ではなかった。
不器用で、雑な翼の民だった。
鳥人族では珍しい火に特化した属性と大柄な体。
3年前、最高速度はそれなりだったが細かい空中機動は目も当てられず、それを練習するよりも武術を好む変わり者だった。
だが今の動きはベストコンディションのフォンでもできるかどうか分からないもの。
よくよく見れば、記憶にあるよりも体が大きい。
ウィルよりもさらに頭一つ分背が高く、体格も一回りほど違う。
目元と胸の刺青は見慣れたものだが、しかしかつてはなかった全身の傷跡に年月の流れを悟る。
「話か、ウィル・ストレイト」
「えぇ」
「いいだろう……このシュークェ、現状は理解した。貴様は鳥人族にとっては恩人。であれば聞こう、人間。このシュークェに何を問う」
「仙術、気。そして貴方はフォンを見て気が乱れていると言いました」
「…………おぉ、言ったな。見れば分かるからな」
「ならば、フォンが飛べなくなった理由もわかりますか?」
「……ふむ」
「お願いします、教えてください」
そして、見た光景にフォンは思わず立ち上がった。
「あ、主!?」
ウィルがシュークェに向かって頭を下げたのだ。
それも腰を直角に曲げるほどの深いもの。
「な、なんでそんなことを! しなくていいんだよ!?」
「いいや、僕がしないと」
なぜならと口にしながら、それでも彼は姿勢を崩さなかった。
「君のことなんだから。だったらいくらでも頭を下げるよ」
「―――」
体が止まった。
ただ、喉が震えた。
何かが漏れそうになり、けれどそれを何かが押しとどめた。
何故か、嫌なものはなかった。
「……ふむ。顔を上げよ、ウィル・ストレイト」
「教えていただけますか?」
「答える為に、頭を上げるが良い。一族の恩人に対し頭を下げたまま話すわけにはいかん」
「……分かりました」
ゆっくりと顔を上げる。
シュークェと向き合う主の背中だけが見える。
「まず言っておくがウィル・ストレイト。俺はフォンが不調であり、飛べぬということは分かる。仙術を修めた今、お前たち人種には見える気の流れが見える故に。そして―――フォンもまた同じものを修めればまた飛べるであろう」
「なら……!」
「だが!」
シュークェが腕を組む。
「俺がフォンの不調を治せるというわけではない。仙術は修めたが、しかし他人に教えられるものではない」
「……です、か」
「故に、俺に分かるのは誰が治せるかということだけだ」
「――――どなたですか?」
「応えよう」
彼は頷き、
「俺が仙術を学びし≪
そしてと、彼はもったいぶるように息を吐き、
「その主、大いなりし≪天宮龍≫エウ――――」
「おいっすー! 重役出勤のワシが来たぞ! アレス、お茶――おらんのか。おん? おぉん!? どうしたフォン!? めちゃくちゃ気ぃ乱れておるではないか! それではまともに空飛べんじゃろう! いかん! これはいかんぞ! こりゃあワシの地元の≪
シュークェが無言で膝から崩れ落ちた。
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