イノセント・アンド・チャーム その1

4490:2年主席

 

「どうだ、ウィル。七主教総本山大聖堂の威光。外見だけでも実に芸術的ではないか」

 

「あ、はい」

 

何故僕は休日にこの人と教会に来ているんでしょうか……

 

 

4491:名無しの>1天推し

 

4492:名無しの>1天推し

うける

 

4493:復帰軍人人妻

宣戦布告……!?

 

4494:名無しの>1天推し

まだあらぶってるよ

 

4495:ステゴロお嬢様

しかし実際大したものですわね……

大きな聖堂に、その前に広がる広場。民の……というより信徒の憩いの場という感じでしょうか。

 

4496:1年主席天才

そんな感じ。

僕は最初の方に数度見に来ただけだけど、王都の観光名所の一つだね

 

4497:名無しの>1天推し

へぇ

 

4498:名無しの>1天推し

まぁこの手の凄い教会ってそういう面もあるよな

 

4499:2年主席

 

「ウィル、君は建築に興味はないのか?」

 

「えぇと……はぁ。いえ、そこまでは」

 

「いかんな。石と木、ガラスの芸術だ。七主教の大聖堂は帝国にもいくつかあるが、しかし流石は大本山と呼べるべきものだ。実に目の保養になる。

芸術といえば王国のそれは幅広い。歌劇にしても、音楽にしてもな。歌劇は見るのか?」

 

「いえ……あまり」

 

「ふむ……トリウィア嬢はどうだったか」

 

「先輩は、あまりこの手のは好んでませんでしたね」

 

「ふっ……つくづく帝国の女らしくないな」

 

なんだろう……めっちゃフレンドリーなんですが……?

 

 

4500:名無しの>1天推し

なんなの?

実は良い奴なの?

 

4501:名無しの>1天推し

分らん……

 

4502:復帰軍人人妻

芸術に詳しいマウントでは?

 

4503:名無しの>1天推し

そんなことある?

 

4504:ステゴロお嬢様

うぅん……審美眼でマウントを取り合うのはよくあるのは確かですが……

 

4505:NO髄

よく分らんけど、一先ず警戒しといたほうがいいんじゃねぇの?

 

4506:名無しの>1天推し

それはそう

 

4507:名無しの>1天推し

相手は敵……敵か?

 

4508:2年主席

とりあえず普通に話しかけてくれるなら普通に話しますが…………

 

「さて……すまなかったな、休日に呼び出して。君とは一度話してみたかったのだ。

トリウィア嬢のことは置いておいて、我々は仮にも従兄弟なのだから」

 

「……それは、そうですね。僕も仲良くできればいいと思います」

 

「ふっ……感謝しよう」

 

 

4509:名無しの>1天推し

うーんこの不敵な笑み

 

4510:復帰軍人人妻

こういう笑い方するやつ碌な奴がいないでありますよ

 

4511:名無しの>1天推し

それはそう

 

4512:名無しの>1天推し

仲間にしたら裏切りそうな笑い方

 

4513:1年主席天才

まぁたまにそういうのいるよな

やたらメンタル強いが土壇場で精神崩壊するかだけど

 

4514:復帰軍人人妻

崩壊してしまえ……!

 

4515:名無しの>1天推し

まぁプライドの高そうな男が泣きわめく姿からしか取れない栄養もあるよ

 

4516:名無しの>1天推し

こわっ

 

4517:2年主席

 

「出会いにおいて我々は、暖かな春のようにとは言えなかっただろう。ありきたりな冬の夜よりも酷い、真冬の大河のようであった」

 

 

4518:名無しの>1天推し

凄い比喩使うな

 

4519:復帰軍人人妻

やはり教養マウント

 

4520:名無しの>1天推し

どういう意味だ?

 

4521:1年主席天才

北にある帝国は1年を通して半分以上が冬で、春と秋が極端に短い。

ありきたりな冬の夜でも雪は降って空気はひどく乾燥している。真冬ともなれば大きな河も完全に凍り付くほどという。

その中でも暖かく過ごしやすい春はほんの数日で、帝国にとっては平和と祝福に満ちている。

 

つまりそのあたりの比喩だね

 

4522:名無しの>1天推し

はえー、凄い土地だな

 

4523:NO髄

先輩そんな比喩してる印象ないな

 

4524:1年主席天才

まだるっこしいし分かりにくくて嫌いって言ってた

 

4525:名無しの>1天推し

 

4526:ステゴロお嬢様

あの人、音楽にしてもロックが好きとかでしたし、

本当に貴族らしくないですわね……

 

4527:2年主席

 

「おっと……失礼。フフ……王国の君に対して聊か胡乱な物言いだった。誰にでも分かりやすく言わせてもらおうか」

 

助かり……ますね……!

 

 

4528:名無しの>1天推し

 

4529:名無しの>1天推し

これは……皮肉か? どっちだ?

 

4530:名無しの>1天推し

皮肉だとしても>1には通じないやつ

 

4531:2年主席

 

「俺は君と敵対する気はないのだ。願わくば親族として友好的でありたいと思っている。学園の生徒会、次期皇国女王の伴侶と敵対など面倒極まりないからな」

 

 

4532:名無しの>1天推し

そりゃそうだ

 

4533:名無しの>1天推し

大貴族とはいえ相手が国の王……王? になるのか?

女王の旦那だしな

 

4534:1年主席天才

聞く限りじゃあくまで女王は御影でウィル自体にはそれに等しい特権はないみたいだね。

それでも平民ってわけにはいかないだろうけど。

 

そのあたり鬼種雑というかなるようになれという感じで、僕もまぁいいかとなっている

 

4535:名無しの>1天推し

うーんこの

 

4536:名無しの>1天推し

 

4537:2年主席

 

「フロネシス家からの返答はないが、アイネス様は俺を受け入れるだろう。君からすれば複雑だろうが、受け入れて欲しいところだ」

 

「……先輩が、ではないのですか? そこは」

 

「ふむ」

 

 

4538:名無しの>1天推し

従兄弟君、教会を急に仰ぎ見る

 

4539:名無しの>1天推し

無駄に顔が良い……

 

4540:名無しの>1天推し

何考えてるんだろ

 

4541:復帰軍人人妻

>1をなんてやり込めてやろうとか!?

 

 

 

 

 

 ウィルの問いにディートハリスは天を仰いだ。

 惚れ惚れするような色ガラスを持つ大聖堂。

 それを見ながら思う。

 

 ―――――発言を間違えれば土下座靴舐めか。流石に教会の大広場で戦闘をすることはないだろうし、それで済む。フッ……済んで欲しい。 

 

 

 

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