心の叫び
花火は、毎年いろんな形に上がる。
みている人たちの心を毎年鷲掴みだ。
ますば、星かー。
キレーだけどオレは優依が気になって仕方
なかった。
来年は、もう優依…オレとじゃなくて陵と
二人で来てるかもしれないな。
…
「あー、見てみて‼︎ハート」
優依がオレの袖をワシワシと揺らした。
「優依、毎年ハート上がるとテンション爆上
がりだな」
「だってかわいいじゃん」
カシャカシャ
一生懸命写真を撮る優依。
しかしブレブレ…
「あー、ハート終わってしまった。また来年
リベンジだ‼︎」
来年のためにメラメラと闘志を燃やす優依。
「あ、オレ結構キレイに撮れたかも」
と、陵。
「え、いいなー」
「なら、送ろうか?」
「わーい。ありがと」
というわけで、二人はあっさりと連絡先を
交換するのでありました。
…サクサクいくじゃないか。
なんなんだい?
君たちは…
そうやってサクサクと進展してどんどん進
むじゃないか。
いつまで続くんだい?
花火見なくてもいいのかい?
次はタコの形だよ。
見ないのかい?
どうするんだい?
巻き戻しできないよ。
一人心の中でどんどん呟く。
しかし、だれも聞いていない。
だって心の中の呟きだから。
ハハッ…
アハハハ…
一人花火をみてるフリして心で呟き笑う…
…
あーあ。
もうあの二人は、進んでいく一方なんだな。
ふぅ…。
思わずため息が出てしまった。
花火みてため息ついてるやつってオレくら
いだろーなー…。
幼馴染の恋…
なんか複雑ーー。
ずっと一緒にいたから一緒が当たり前だと
思ってたけど、こうして幼馴染が離れてい
こうとしているのを目の当たりにすると、
なんか切ない…
⁉︎
オレは優依に本当に恋をしていたのだろう
か?
それともただ優依に執着していただけなの
だろうか。
…
恋なのか愛なのか…
仲間なのか…
味方なのか、敵なのか…
兄妹だったのか…
幼馴染なのか…
あ、幼馴染か。
もう色々考えすぎてわけがわからなくなり
つつある。
そんな事ばっかり考えていたらもう花火が
フィナーレを迎えつつあった。
…
もう花火終わりか…
じゃあ、夏もそろそろ終わりだ。
あぁ、もうすぐ秋か。
通りで肌寒いよ。
帰ってあたたかい湯船に浸かろう。
そして、風呂上がりにキッツイ炭酸を飲も
う…
「ねー、聞いてるー?」
オレの袖を優依が引っ張っていた。
「ン?何⁉︎」
「だからー、花火終わたったから帰ろーって
言ったのー」
「あー、そうか。そうな。」
「「「あはは」」」
「大丈夫かよ?」
陵の言葉にオレは、
「あー、うん。大丈夫。それより二人は、帰
り一緒で大丈夫?」
と気軽に聞いてしまった。
…もう気まずくないかな?
最近普通に話せてるし。
そんな質問に?な顔の優依。
やっぱり何も知らないんだな。
「あー、オレたちな。大丈夫。きちんと奈美
を送ってく」
「そっか、じゃーな」
「おー」
と、オレたちはそれぞれオレと優依、陵と
奈美さん、で帰ることとなった。
続く。
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