第6話 うららかな日の殺意
ある晴れた日の日曜日。
わたしはある部屋へと
入り様子を見に行く…………
『お加減どうですか?』
『……ん?あんた、あんたかね?』
『いかがですか?』
『う~ん?なかなか良いよ。』
『今日は、とてもお日様が
気持ちいいですね?』
『あぁ、そうさなぁ。お天道様が
気持ちいいねぇ。』
『何か、欲しい物はありませんか?』
『わしゃ、コーヒーが飲みたいねぇ?』
『ふふふ、コーヒーですか?』
『他に欲しい物はないですか?』
『あぁ、そうさなぁ。眠りたいよ。』
『そうですか、外はこんなにも
気持ちいいのに。』
『外へ行きませんか?』
『わしゃ、疲れとるでなぁ。』
『今日は、夜になると……
花火が上がるそうですよ?』
『花火?花火とな?あぁ良いねぇ。』
『屋上の空気を吸いに行きませんか?』
『いや。わたしゃ。眠いんだよ。悪いねぇ。』
『おばあちゃん?点滴変えましょうね?』
『あぁ、ありがとう。』
『コーヒー飲みたいねぇ。』
『では。コーヒー飲みに喫茶店へ行きましょうか?』
『あたしゃ。冷たいのが良くてねぇ。ホットは好かんのじゃ。』
『そうですか……冷たいのが
良いんですか……。』
『おばあちゃん?点滴、変えましたよ?』
『おばあちゃん……』
『おばあちゃん?』
『すぅ、すぅ…… 。』
『あらあら。おばあちゃん……
寝てしまったわね?ふふふ。』
『ぐ~……ぐ~……すぅ……』
『じゃあ、おばあちゃん?
あそこに行きましょうね?』
カラカラ……カラカラ……
『よっこいしょっと。』
『おばあちゃん……寒くない
様に、毛布を掛けますからね?』
『ホントに、お天道様って素晴らしいわ!ふふふ。』
おばあちゃん?
おばあちゃん?
おばあちゃん?!
『あ!!イケなぁい!
点滴の中に、劇薬入れちゃったわ。ふふふ。』
『また、やっちゃった』
女は舌をペロッと出すと……
そこの部屋から消えたのだ
女の次なる獲物は…………
『ど・れ・に・し・よ・う・か・な??』
と、カルテをもてあそぶ様に、
指を指していた。
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