第5話 廃人の吸い殻

イスに座り、タバコを吹かす。


深く深くため息をはくと……

あることに


気が付く……。


掃除もせずに、バラバラに放置された吸い殻たち……


僕は、吸い殻を見詰める。




時が止まった

様だ…………。


クスリとも笑わずに、

ただ、ただ


タバコを吹かす。




廃人の様に、徘徊してみても

変わらない。



本の中身が、うるさく僕に

訴えてくる。




雨空を見詰めて、

空気に煙を吐き出すと、



空ににじんでいく……。




どこかで、聞いたセリフだ、、、。




あれから10年……。




僕の食事タイムが始まる。






お湯を沸かし、その高価な

香りに満ち足りた気持ちになる。





『おっととと。』



今日も、吸い殻は増える。






至福の食事は……



そう、あの子の








僕は、宮崎死刑囚と

呼ばれるんだ…………。




手を合わせ、

』と返事が無いのも、いつものことだ。



手を合わせて




念仏を唱えて、



を喰らう。





美味しくも無い……。


だけど、

だけど、




あの子の肉が……

大事な食料だったんだ。




変われない自分にニュースが流れるたびに



かくれんぼをしている

気持ちになれる。






僕は

そう……いつか……



世間にそう……言われるだろう。








※※※

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