第9話嫁さん(前編)
僕と嫁さんは5歳僕が年上だ。出会いは居酒屋。
嫁さんは会社員でありながら、彼氏を見つける為に、居酒屋で3時間だけアルバイトをして、嫁さんがバイトを開始した夜に僕が客として、出会った。
その頃はスマホなんてないから、携帯のメールアドレスを交換したのが初日の出会い。
かわいい女の子であった。歳を 聞くのは失礼だが、酔いもあり尋ねてみると、23歳であった。当時28歳の僕は恋心を抱くが大失恋喰らって2年経ったが、まだ警戒していた。
メールアドレスが繋がらなくて1ヶ月、店でしか会えなかった。仕事帰り一人で飲みに行った時など、僕の隣に来て、まかないを食べていた。
メールアドレスが判明した。最後のudonfone《ウドンフォン》ってなんだ!と同僚に尋ねると、Vodafoneだよ。ボーダフォン。
なんだ~と思い夜勤の夜、今から船乗りますと
メッセージと船を写したら、返信があり、ビルみたいな船ですね。と返信があった。
それから、毎日メールのやり取りをしてデートを何回かした。静岡の恋人岬にも行った。
あそこは信じられる。ホントに結婚できる。
出会って半年後、中華料理を食べた帰りに告白した。付き合って下さいと。返事はなかった。2人とも無言で地下鉄に乗ると、先に嫁さんが降りた。そして、降り際に言う。
「宜しく御願いします」
と、言われた。嬉しかった。これが出会ったころの話しである。後半に続く。
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