第7話夕顔
僕は実家に住んでいる時、ガーデニングに没頭していた。
きっかけは、小学1年生の時に理科の観察でアカザオの種を鉢に蒔いて、夏休みに花が開いたのを感動して、4年生から緑のカーテンを作り始めた。同時に鉢やプランターにナスタチウムや、シャコバサボテン、睡蓮、等々育てられる花は殆んど栽培した。
高校である日、源氏物語で見出しが夕顔とあった。源氏物語は夕顔と言う女性だが、夕顔について、調べた。
あれは、元々、瓢箪の花を夕顔と言っていたらしい。
だから夕顔はウリ科の植物だが、白くて大きい花が咲く。しかも、芳しい香りがする。
アサガオはアサガオ科であるから、アサガオと夕顔は似て異なる。コツがあり、夕顔の種は爪切り等で種に切れ目をいれ、一晩水につけるのだ。そこで、水を吸い膨らんだ種だけをまく。
蒔いて、2ヶ月後には花が咲く。僕は実家の玄関横にタナを作り、毎日観察した。
ある夏、鹿児島が8.6豪雨でお隣さんのがけ崩れが少し起こったので僕んちに避難して来たことがある。
そこで、停電の中、ロウソクに火をつけて不安な夜を過ごした。
それを癒したのが、夕顔であった。玄関を開く度に良い香り入ってくる。
そのおじさんが、夕顔を1輪取ってきて、コップに水を入れてテーブルに飾った。
部屋がいい匂いが漂った。
花には目に見えないチカラがある。
だから、慶弔時花は欠かせないのだ。
この晩は、夕顔が場を慰めてくれた。
夢は中古一軒家を買うか、借りてガーデニングを楽しむ事だ。
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