第11回『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』2017年韓流ドラマ感想

 このドラマはあまりにも有名で知らない人はいないのではないでしょうか?

 まだご覧になられていない方のためにあらすじを少し。


 以下は公開されている範囲のあらすじです。

 高麗時代の英雄キム・シン(コン・ユ)は、若き王の嫉妬で逆賊とされ、処刑された。 その何百年も後、神の力で不死の“トッケビ”(鬼・化け物の意)となって生き返る。

 自分を苦しめる永遠の命から解き放つことができるのは“トッケビの花嫁”と呼ばれる存在で、それはこの世に1人だけ。

 900年以上の時を経たある日、シンはある女性の赤ん坊を助ける。その赤ん坊を見守り続け、女子高生になったウンタク(キム・ゴウン)と初めて対面することになる。果たして彼女はトッケビの花嫁なのか──



 トッケビとは? から説明いたします。

『トッケビ』とは、韓国で古来から伝承されている不可思議な力を持つ存在で、人間に福をもたらすもの。日本語では“鬼”と訳されるが、日本の鬼とは異なるそうです。

 また高麗は、913〜1392年まで朝鮮半島を治めた国家で、日本の平安時代後半から室町時代初め頃だそうです。




 このドラマで、主演のコン・ユさんは、最優秀演技賞をもらっています。

 また、実力派女優のキム・ゴウンさんとの掛け合いもピッタリでした!



 お話は高麗こうらい時代から始まり、その時の因果応報いんがおうほうが、その後1000年近い現代に蘇ります。

 高麗の若き王、ワン・ヨ(キム・ミンジェさん)が若さゆえに周りの陰謀に巻き込まれ操られる様は、どこか『王になった男』を彷彿ほうふつさせてくれました。

 王妃役のキム・ソヒョンさんの美しさと可愛らしさには本当にため息が出ました。またこの二人も悲しい運命が。



 無邪気で屈託のないウンタクに振り回されるシンもまた、ウンタクにアジョシ(おじさん)と呼ばれながらも純情で可愛かったです。

 現代で、死神(イ・ドンウクさん)とチキン店の社長(ユ・インナさん)の恋もコミカルに描かれていますが、この二人も実は訳あり?




 この壮大なドラマは、ラブコメなどという定義括りはもったいなさ過ぎます。

 韓流の得意な過去からの因果応報や、運命の縁の大切さを、お手本のように表してくれました。


 全てが過去と未来に繋がるような壮大な規模で、現代の恋模様をコミカルに演出するところには脱帽です!



 常に渋くてイケてる中年のシンをアジョシ(おじさん)呼びするウンタクの、駆け引きのない真っ直ぐな気持ちには清々しいものがありました。

 そして、シンの素敵なデート演出にも注目して頂きたいと思います。女性なら誰でも彼に堕ちてしまいそうな、全くを感じさせないスマートな立ち振る舞いでした。

 死神とシンの並びの迫力あるスタイルの良さも見ものです!





 *** 追記 ***


 ここからは私の個人的な感想ですので、本編や原作とは一切関係ございませんことをご了承下さいませ。



 高校生役のキム・ゴウンさんは、『ユミの細胞たち』でも好演され、とても好きな女優さんです!

 そのドラマでもコン・ユさんに関係あることが盛り込まれていたり、『ユミの──』の監督さんのノリの良さも感じました。



 アジョシ(おじさん)と終始呼ばれてるコン・ユさんは、おじさんにしては若くてイケすぎでした。

 どこかある日本の俳優さんの若かりし頃のお顔に似てらっしゃるなぁ、と思いました。


 高麗時代には、勇敢な剣の名手だった彼が、現代では女子高生に振り回されているところも面白く、ギャップが大きければ大きいほど興味をそそられ、その大事さを感じました。


 韓流ドラマの良さは、前述しました因果応報を上手く使っているところだと思いますが、更に気づいたことは、恋に発展するのに無理がないというところです。

 もちろん、一目惚れもののドラマもあると思いますが、初めはいつもどこかすれ違う二人で、様々なハプニングを乗り越え、初めて意識し始める、という正にラブストーリーの王道を堂々とやってくれます!


 王道とは、最も適している重要なやり方ですから、これを避ける手はないですよね?!



 そして、最後は涙です。ドラマによっては悲劇もまたラブストーリーの王道だと言えますが、悲劇のハッピーエンドという方法は考えたこともありませんでした。

 この真意は、ぜひ皆さまでご覧になってお確かめくださいませ!



『トッケビの花嫁』で、私が学んだことは、挫けない心かもしれません。

 一回の失敗や脱落でこの世の果のような気持ちになっていては、この世知辛い世で生きている私たちさえも浮かばれません。

 戦国のような時代なら尚更です。

 死んでも死にきれないとは、このトッケビのことかもしれませんね。


 そして、いつかは大切なものに巡り会える。それは努力したからなのか、それともボンヤリ待っているのがいいのか?


 答えはどちらでもない気がしました。


 運命を見つけるために躍起になって努力しても、血走った目には何も見えてない。ボンヤリ待っていても、霞んだ目には何も映らない。


 自分を精一杯生きていれば、運命に縛られず、自分に正直に向き合って生きていれば、何年掛かっても運命の方からやってくるもの。


 そんなことを思わせてくれました。

 まあ、900年は長すぎですが(笑)。



 このトッケビの花嫁は、主人公のウンタクから勇気と元気をもらえる作品でした。

 背伸びをしない、どこにでもいそうな等身大の女子高生で、どんな不幸な環境にも前向きに乗り越えてきたからこそ、明るい運命の光に出会えた。

 一見、日本にも多そうな苦労人もののドラマ展開ですが、韓流ドラマはファンタジー多めですので、辛くなく見やすいかと思います。



 この在宅期間の時間のあるときにでもいかがでしょうか? ぜひオススメいたします!

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