氷解する謎と真実(三)



『紳士淑女の皆さま。ジェーン・ドウ・ゲーム終了の一時間前となりました。ただいまより、クリア条件を満たすための時間となります。クリア条件である、〝ジェーン・ドウの正体を突き止め、そこに至った過程を論理的に説明すること〟が可能であれば、〈始まりと真実の部屋〉にお越しください。

 代表者を決めますので、代表者となる方が右手を五秒間上げてください。本当にあなたが代表者ですかと聞きますので、はいとお答えください。

 代表者に選ばれた参加者が、〈始まりと真実の部屋〉にてクリア条件を満たすための説明をしてください。

 これより、代表者が〈始まりと真実の部屋〉で話すことは、全てクリア条件を満たすための説明とみなされます。同時に代表者以外の参加者の言葉は一切、無効となりますのでご了承ください。

 クリア条件の説明が終わったら、右手を五秒間上げてください。本当に説明は終わりですかと聞きますので、はいとお答えください。クリアできたか否かの判定を下します。

 クリアに成功した場合、生存者一人づつに二千万円進呈。失敗した場合、参加者全員死亡となります』


 十七時になった瞬間、館内に例の女性によるアナウンスが流れた。ゲーム終了の一時間前になれば、主催者によるなんらかのアクションがあると思っていたが、予想通りだった。

「この部屋で聴くと、まるで人形の女性がしゃべっているかのようですね。もしかしたら彼女は、主催者の代弁者という役割を与えられているのかもしれません」

 屋根裏乃が人形の女性に目を向ける。

 この部屋とは当然、〈始まりと真実の部屋〉だ。今その〈始まりと真実の部屋〉には、私、屋根裏乃、矢羽々、庭野、そしてメイがいた。

 とある理由から、メイには自室にそのままいてもらいたかった。しかし彼女は皆と一緒にゲームクリアの時を迎えたいと言った。それは頑なであり、メイの意志をねじ伏せてでもなんていう強硬な態度に出るつもりのない私は、同席を了承したのだった。

「そんなこといいから早く右手を上げろよ。お前が代表者だろ。さっさと説明を終えて、二千万円頂こうぜ」

どこまでも他力本願で厚かましい庭野が、屋根裏乃に説明を急かす。

「屋根裏乃さん、最後まで任せちゃってごめんなさいね。それで、大丈夫なのかしら?」

「大丈夫とは、ボクの説明がゲームのクリア条件を満たして成功できるかどうか、でしょうか?」

「そう。あ、もちろん屋根裏乃さんのことは信じてるわよ。……ただ、ねえ? もしも失敗したらって思うと……本当に大丈夫、よね?」

 不安を内包した矢羽々の視線が、申し訳なさそうに屋根裏乃から逸れる。

 失敗したら全員死亡という条件が、矢羽々の眉間に銃口を突き付けているのだろう。

 しかしその恐怖を、自分の中だけに留めておく立場であることを忘れてはならない。〈ジェーン・ドウ・ゲーム〉のクリアを屋根裏乃に託し、密室殺人の謎に立ち向かうことをしなかったのだから。

 私は少し矢羽々に腹が立った。

「大丈夫ですよ。ボクにどんと任せてください」

 なのに当の屋根裏乃は全く意に介していないのか、自身たっぷりに胸を叩くと右手を上げた。

 きっかり五秒後、『本当にあなたが代表者ですか』と女性の声。

「はい。ボクが代表者です」

『分かりました。では屋根裏乃碧流さんが代表者と認定します。時間内にクリア条件を満たすための説明をしてください』

 ゆっくりと右手を下す屋根裏乃。

 屋根裏乃は私を一瞥する。それだけで彼女の意思が伝わった。

 大丈夫。自分のやるべきことは分かってる。そんな状況は想像したくないが、そのときはどうか私に任せてほしい。

「では始めます。ジェーン・ドウの正体、及びそこに至った過程を論理的に説明することが、クリア条件となっていますが、何も難しく考える必要はありません。〝どのように万城目さんと北条さんを殺したのか〟というハウダニットさえ解ければいいのです。そうすればジェーン・ドウが誰か、自ずと正体が分かりますので」

 第一の被害者である周防と第三の被害者である遠藤について話がでないのは、彼ら二人の死に解くべき問題がないからだ。

誰にもアリバイがない(メイが遠藤殺しを疑われたが、北条を殺せないので彼女はすでにジェーン・ドウではないと確定されている)=誰でも殺害できるという構図に、何等かのトリックが介在した様子もない。ならば論理的な説明も不要であるという屋根裏乃の見解だった。

 私もその考えには同調できたし、庭野も矢羽々も知ってか知らずか、疑問を挟むことはなかった。

「で? 密室殺人の謎は解けたんだろ。万城目は一体どうやって殺されたんだ? 名探偵を気取るのはいいが、もったいぶって時間を浪費するなよ」

 庭野が人形の女性の入った棺の上に腰を下ろす。

「万城目さんの前に、北条さん殺害のハウダニットから解いていきたいと思います。そちらのほうが話がスムーズに進みますので」

「そういえば北条さんも密室殺人だったのよね。それも謎が解けたのね。時間だってなかったのにすごいわ、屋根裏乃さん」

「虹崎さんに協力してもらったおかげです。虹崎さんがいなければ、時間内に謎を解くことはできなかったと思います」

「あら、そうなの。虹崎さん、ありがとね」

 矢羽々が私に謝意を述べる。

 あなたも協力すべきだったのではと言いたくもなるが、「いえ」と返すに留まった。

「北条さんの密室殺人についてですが――」

 屋根裏乃は数十分前に私に説明したように、ジェーン・ドウがそもそも物見スペースに入っていないことをまず話した。

 その事実に驚くメイ、矢羽々、庭野の三人。ではどうやって北条を殺したとの彼女達の疑問に、屋根裏乃が答える。

「物見スペースに入らないのであれば、外から殺害するしかありません。その際にジェーン・ドウが使った道具ですが、ビリヤードのキューを使ったのです。二本のキューを布――カーテンの切れ端で縛り全長を伸ばし、その先端はナイフの柄とこちらも布で縛ります。こうして三メートル弱の即席の槍を作り上げたのです」

「それをどうやって使って北条さんを殺害したの? 大体は想像つくけど」

 メイの想像通りだろう。一方庭野は、首を傾げて頭上にクエスチョンマークを浮かべている。想像力が貧弱らしい。

「ジェーン・ドウはその槍を持って開口部から身を乗り出します。その時点で槍の先端であるナイフを、物見スペースにある開口部のすぐ下に寄せておきます。そのあと物見スペースにいる北条さんに声を掛けました。おそらく単に名前を呼んだだけだと思います。声に応えるように北条さんが物見スペースの開口部から下を覗きます。自然な行動ですね。ジェーン・ドウはそのタイミングで、槍の先端であるナイフで北条さんの首を切ったのです。切られた北条さんは前に倒れ、そのまま地面に落下。一方でジェーン・ドウは、使った槍を北東の森に投げて凶器の隠蔽を図りました。槍は実際に北東の森に落ちていました。これが北条さんの密室殺人の解となります」

 改めて聞く推理だが、これで間違いないとの気持ちを強く抱く。ひとえに屋根裏乃の名探偵然とした、自信に満ちた振る舞いゆえだろう。

最初に屋根裏乃を見たときはそのあか抜けない見た目もあってか、漠然とした未熟さを抱いていたものだが、私の目は節穴だったらしい。彼女はとても立派で心強かった。

「そう言われてみれば方法はそれしかないな。その槍ってのはどこにあるんだよ? 実物も見せておいたほうがいいんじゃねえのか」

 庭野が周囲に目を向ける。主催者がカメラ越しに見ていると思っているのだろう。私も探してみたがカメラは見当たらない。どこかにあるのは間違いないと思うが。

「論理的な説明さえできていれば、その必要はないと思います。それに槍をこの部屋に持ってくるのは危険が伴います。誰の手にも渡すわけにはいきません」

「そうね。もしもジェーン・ドウが手にしたら、また誰か殺すかもしれないものね」

「ふん。まるで自分がジェーン・ドウじゃないかのような言い草だな。内心、焦ってるんじゃねえの。北条の殺害方法がばれちゃってよ」

 ジェーン・ドウ扱いされた矢羽々の顔が赤く染まる。

「な、何を言ってるのよ。あなたいい加減にしなさいっ。そこまで言うなら言わせてもらうけど、一番怪しいのはあなたよ。態度と口調に見た目の全てが、あなたがジェーン・ドウであると示しているわ」

「なんだと? もう一度言ってみろ。ぶっ殺してやる」

「そうそう、万城目さんと言い合っていたときもそんな感じだったわよね。それであなたは本当に殺したんでしょ。もう認めちゃいなさいよ。この人殺しっ」

 不気味な笑みを張り付ける矢羽々。彼女も最初の印象からがらりと変わった。庭野の挑発のせいというのもあるが、理性を欠いた今の彼女は見るに堪えなかった。

「このババア。本当にぶっ殺してやろうか? ああっ!?」

 庭野が勢いよく、立ち上がる。

「やればいいじゃない。四人を殺したようにナイフで刺せばいいじゃない」

 ああ、もう。

「ちょっともう止めてくださいっ。落ち着いてください。庭野さんに矢羽々さん。屋根裏乃さんに説明をさせてください。でないと時間切れになって全員、ここで死ぬことになるかもしれませんよ」

 口を閉じる二人。

 間に火花を散らしたままだが、罵り合いで時間を無駄に浪費するのは得策ではないと判断したのだろう。

 しかし、北条の密室殺人の謎が解明しただけこの有様。メインとなる万城目の密室殺人を解き、ジェーン・ドウが誰か確定したときのことを考えると頭が痛くなった。

「では先を続けます。次は万城目さんの密室殺人についての謎を解いていきます。

ジェーン・ドウはいかにして6号室に入り、万城目さんを殺害したあとで密室にして外に出れたのか。まず最初に頭を過ったのが、そもそも6号室は施錠されておらず、入室が容易だったというものです。これは万城目さん自身が招き入れたという可能性も加えてです。その仮定を元に、6号室で万城目さんを殺したジェーン・ドウは、いわゆる糸を使った古典的な方法で密室を構築したのではないかと推測しました。糸ならカーテンの繊維を使うことが可能ですしね。ただ個室のサムターンがスイッチ式サムターンであることから、すぐに無理だと却下しました。スイッチを仮にセロテープ、或いはカーテンの切れ端などをきつく結んで、押し込んだ状態で固定しておけば可能かもしれませんが、6号室に入った際、サムターンにはそういった形跡はありませんでした」

 6号室に入ったとき、屋根裏乃はサムターンを確認していたようだ。誰もが万城目の安否を気にしていたとき、密室トリックの痕跡に意識が向いていたとは思わなかった。さすが周防の代理をするだけのことはある。

「糸がダメならと次に考えたのが、6号室の鍵で施錠したのち、外からその6号室の鍵を中に放り込んだというものです。でもそれは無理な話です。投げ込んだ鍵を即死状態だった万城目さんが握るなどあり得ませんから。これはつまり、万城目さんが施錠していようがいまいが、6号室の鍵を使って密室を作成することは不可能だという証左でもありました」

 万城目が鍵を握っていたことに関しては、密室の強度を上げるためにジェーン・ドウがあえて握らせたのだろうと屋根裏乃は言っていた。それは間違った推理だと、ジェーン・ドウは探偵をせせら笑いたかったのかもしれない。

「三つ目に浮かんだのが、マスターキーの使用です。マスターキーならば施錠されている部屋にも入れますからね。しかしマスターキーは皆さんもご存じのように、もう一つの密室である8号室にあります。しかもキーのすり替えを確認した正真正銘のマスターキーが、です。それはすなわちマスターキーで6号室に入ったことの否定につながり、この時点でボクは頭を抱えました。だったら、一体どうやってジェーン・ドウは密室殺人を行ったのかと」

 屋根裏乃ほどではないが、マスターキーでないなら、どのような方法があるのかと私の思考もここで渦を巻いた。

 だがその渦から抜け出せるわけがなかったのだ。前提がすでに間違っていたのだから。

「おい、眼鏡。確かにお前は探偵役だが、漫画みてえに順序だてたまどろっこしい説明はやめろ。謎が解けてんならズバッと言えって」

「ロジックを強固にするならば、別の可能性を排除していくのも大事な作業です。真実が一つと分かっているならなおさらです。時間もありますし、もう少し付き合ってください」

「ふん」と庭野が引きがる。

 実際、もう少し付き合うだけで済むはずだ。すんなりと物事が進むならば。

 危惧すべき状況がこのあと二つほど発生する予想をしているが、果たしてどうなることやらだ。

「マスターキーでなかったらどうやって密室を作ったの? もしかしてもう一本別のマスターキーBがあって、それを使ったとか」

「いえ、違います。意図的に隠しているものはないとの説明から、マスターキーが一本であることは間違いないでしょう。マスターキーBなる存在が許されるなら、もはやこのゲームは成り立ちません」

「えー、じゃあ、なんなんだろ。メイはお手上げ」

 両手を上にあげるメイ。

 お手上げに至るまでに、何度も密室の謎の解明に取り組んだのか怪しいものだが、口には出さない。

 屋根裏乃は若干の間を置き、そして。


「ジェーン・ドウは使のです」


「なんだそりゃ。マスターキーじゃないって言ったのはお前だろうがっ」

 庭野が声を荒げる。意図しないメイのミスリードに誘導されたようだ。

「ボクはマスターキーではないとは一言も言ってませんよ。マスターキーが使えない状況に、あの時点で頭を抱えただけです。――ジェーン・ドウがマスターキーを使ったのは間違いない。マスターキーでなければ密室殺人は行えない。この先入観はある意味危険でしたが、だからこそ気づけた盲点がありました。いやもう、これは本当に盲点でお恥ずかしいばかりでして、周防探偵ならすぐに気づけた解だったと思います」

「その解とはなんですか?」

 聞いているので解は知ってるが、ここは私が聞いてみる。

 助手の問いに名探偵が頷く。

「マスターキーは密室となっている8号室にあります。なのでマスターキーを手に入れるには8号室に入室しなければなりません。しかしその8号室の鍵は8号室の中のカフェテーブルの上にあります。でもジェーン・ドウはその8号室に入り、マスターキーを入手した。さて、これは一体どういうことでしょうか」

「マスターキーと8号室の鍵が密室状態の8号室にあるのに、その8号室に入っただぁ? 一体、どういうことってこっちが聞きてえよ。早く言え」

「屋根裏乃さん、どういうこと?」

 急かす庭野と矢羽々を屋根裏乃が手で制す。

 やがて彼女の口から、密室に於ける万城目殺害の解が発せられた。

「簡単なことです。ジェーン・ドウはんです。すり替えのタイミングはもちろん、周防探偵を殺したあとです。死亡推定時刻が十九時五分から二十時ですからその間のどこかでしょう。鍵が周防探偵のポケットにあったのか、あるい部屋に置きっぱなしになっていたのかは分かりませんが、どちらにせよすり替えの時間はありました。それに誰もが殺人が起こるなど考えもしなかったあのときなら、ほかの参加者の行動を注視する人もいなかったでしょう。ジェーン・ドウにとっては楽な仕事だったと思います」

 楽な仕事とはいえ、周防を殺して鍵のすり替えまでを行い、その後〈ジェー・ドウ・ゲーム〉の本質を知らない参加者として振舞っていたとは恐れ入る。自分の役割を前以て知っていたとしてもだ。

「さて、8号室の鍵を手に入れたジェーン・ドウがどうやって万城目さんの密室殺人を行ったのか、もうお分かりですね。皆が寝静まった深夜でしょうか、まず8号室に入室して8号室の鍵とマスターキーをすり替える。もちろんキーの部分のみです。今後もマスターキーをあたかも自分の個室の鍵だと思わせるわけですから。

 8号室を施錠したあと、手に入れたマスターキーで6号室に入り、万城目さんを殺害。その後普通に部屋を出て施錠して密室殺人の完成です。ちなみに自分の部屋の鍵と8号室の鍵をすり替えた際、自室を施錠することができなくなりますが、なんの問題もありません。自身がジェーン・ドウであり用心する相手などいないのですから。九人目の参加者を警戒していたボク達を鼻の先で嘲笑していたでしょうね」

「そういうことなのね。……でも、それってじゃあ、ジェーン・ドウは8号室が密室になると知っていたってことよね。だってそのために8号室の鍵を手に入れたんでしょ」

 矢羽々の最もな疑問に。

「知っていたというより、どうにかしてそうなるように仕向けるつもりだったのでしょう。周防探偵を8号室のベッドに移動させるという考えは当然でしょうから、誰が言いだしても不思議ではありません。問題はそのあとです。8号室にマスターキーを廃棄するよう暗に働きかけるのは、なかなか骨の折れる仕事だと思います。ボクのこの場での推理までを予測するなら、自分からは決して言い出したくはないでしょうね」

「言った奴が怪しいってなるもんな。――って待て。誰かが言ったからこそ、マスターキーは8号室に廃棄されたんじゃないのかよ。誰が言った……?」

 庭野が腕を組み、眉間にしわを寄せる。

「あれ、それって……」

 メイの目線がゆっくりと屋根裏乃へ。

「そうです。ボクです。それが当然だと思って言ってしまったわけですが、ジェーン・ドウは内心、快哉を上げたでしょうね。図らずも計画通りに事が進んだのですから」

「そうだ。お前だったな。ナイフとマスターキーを8号室に廃棄しようと提案したのは。そうなるとよ」庭野が右の口角を吊り上げる。「お前がジェーン・ドウだってことにならねねえか」

 これは予想できる展開。庭野でなくともそう思うだろう。

 だけどそんな些細な疑惑は最早どうでもいいのだ。

 屋根裏乃を見る。一瞬、表情に浮かんだ緊張の色から、このタイミングを機とすると理解した。

「そうかもしれません。あるいは、そんなボクに感謝した人間がいたのかもしれない。なのではっきりさせませんか。――マスターキーの所有者は誰かを」

 私、屋根裏乃、矢羽々、庭野。

 この四人の誰の鍵で、施錠されている8号室を開けられるか。開けることのできた鍵の持ち主が、即ちジェーン・ドウである。

なんら疑問の余地のない、絶対的な断定方法。だからこそ私は屋根裏乃がそう述べたとき、庭野と矢羽々の表情の変化に注視した。

 変化自体はあった。ただそれが単なる驚きなのか、はたまた狼狽なのかの判断ができず、私は困惑した。だが、次がある。

 屋根裏乃が提案した断定方法を何らかの理由によって渋る、あるいは拒否した場合、その人物がマスターキーの所有者である確率が非常に高い。更には、鍵の確認の妨害をする可能性だってある。

 よって固唾を呑んで待ったのだが結局、困惑の度合いが増しただけだった。

庭野も矢羽々も異を唱えることもなく、むしろ歓迎するかのように断定方法に賛成したのだ。

 危惧すべき状況の一つは、発生しなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る