第二章 序開の血と名探偵
序開の血と名探偵(一)
※
病室から出るとトイレへと駆け込む。
個室に入った瞬間、堪えていた涙が溢れ、頬を伝い、床を濡らした。しばらくすると落ち着いてきたので便座に座り、タンクに背を付ける。
嵐のような感情が去っていき、抜け殻のような肉体の中を虚無が満たす。その状態すらも去ると、ようやくいつもの自分に戻れた。
いい加減、止めなければ。泣くべきは自分ではないのだから。感情を露わにして号泣していいのは、十代の最後に最悪の難病に襲われた妹なのだから。
それを最初、先生から聞いたとき、どういった病気なのか分からなかった。
運動神経系という、体や内臓の筋肉に動けと指令する信号を伝える神経が、少しづつ老化していって使いにくくなっていく病気であり――。と丁寧に噛み砕いて説明されても今一、理解が及ばなかった。
単純に受け入れたくなかったのだと思う。
先生の深刻そうな顔からとても厄介な病気であることは感じていたし、敢えて現実から目を逸らして夢か何かだと思いたかったのだと思う。
一緒に聞いていた母親は顔を手で覆い号泣し、父親は表情を強張らせて放心状態だった。その光景が現実であると無慈悲に突き付けてきて、脳裏に浮かぶ無邪気な妹の顔がひび割れた。
なぜ妹が。
まだ若いのに。
何かの間違いではないのか。
これでは未来は真っ暗でしかないじゃないか。
瓦解していく平凡ながら幸せな家族の風景。地球上で自分達だけに不幸が訪れたかのような、尋常ならざる絶望感。
なのに妹は。
「なってしまったものはしょうがないよね。だから精一杯生きるだけじゃん」
どこまでも前向きだった。
それが救いだった。皮肉にも病魔に犯された妹により、真っ暗なトンネルに心もとない光が灯り、家族は辛うじて笑みを失うことなく日々を送ることができた。
しかし筋萎縮性側索硬化症は有効な治療法のない予後不良の疾患だ。薬やリハビリテーションで進行を遅らせることは可能でも、その進行を止めることは絶対にできない。誰であろうと例外はない。
発症して一年も経ったころ、妹は筋肉のほとんどを動かすことはできなくなっていた。発語もできない状態で、手はなんとか動させる状態。よってコミュニケーションは「文字盤」を使用しているのだが、これもいずれ使えなくなると先生から聞いた。
今までできたことができなくなるのは、どれほどの苦痛だろうか。本人はもとより、関わっている人間も無力感から遣る瀬無さが積もっていく。幸い、五感は健常者と同様の機能が維持されていて音楽を聴いたり、料理を味わったりと〈今〉を楽しむことはできる。
それを良しとするか否か。
妹、本人がどう思っているのかは分からない。
ただ自分だったら、と思う。
一体、なんのために生きているのだと。
周りの人間に生かされて、生きる意味があるのかと。
動いて話して自分の尊厳は自分で守りぬくべきじゃないのか、と。
だから。
ダークウェブでそのサイトを見つけたときは驚いた。
内容は一時間読み込んだ。そんなことができるのかと疑念もあったが、これしかないというのもあった。
文章の最後に三度目の確認があった。
〝本当にジェーン・ドウ役としてゲームに参加しますか? イエス? ノー?〟
迷わずイエスをクリックした。
全ては妹のために――。
二 序開の血と名探偵
それは予想だにしない出来事だった。
ナイフの大時計が十八時を知らせたそのとき、館内に女性の声が響いた。
『紳士淑女の皆さま。この度はジェーン・ドウ・ゲームに御参加、ありがとうございます。十八時となりゲーム開始の時間となりましたが、ここで皆さまにお知らせがございます。
一、ゲーム参加者である九人以外の人間は存在しません。
二、館内にあるものは自由に使ってもらって構いません。
三、ジェーン・ドウ・ゲームはフェアであり、館内、および屋外に意図的に隠しているものはございません。全てはあるべきところにあり、そこにしか存在しません。あとから追加されることもありません。
以上となります。それでは皆様の御健闘をお祈りしております』
唐突な放送が終わる。
「誰なんだよ? 今の。ゲームの主催者か? おいっ、いるんだったらちゃんとこの場で説明しろよ。なんだって一回もうち等の前に出てこねぇんだよっ。ああっ?」
庭野がここにはいない館の誰かに向けて声を荒げる。しかし反応はない。
「いないと思いますよ。参加者である九人以外の人間は存在しないって言ってますし」
屋根裏乃が眼鏡をくいっと上げる。
「そんなの、本当かどうか分からねぇだろ」
「そこは信じましょうよ。ゲームである以上、明確な決まり事はありますし、主催者がそれを破るなんて思えません」
「それに」北条が手を上げる。「今の女性の声は自然な発声ではなくて、合成音声のように聞こえました。公共施設放送などで使われる、自然で肉声感のある合成音声です。ここにいない証明になりませんか」
ぐぬぬ……とばかりに黙る庭野。
言われてみれば、妙に整った話し方だったような気がする。録音されていたものが十八時丁度に流れるように設定されていたのだろう。
「翔真」
唐突に。
万城目が息子の名前を呟く。彼女は立ち上がると焦点の定まらない視線を周囲に向ける。何かを探すように。
「万城目さん? 翔真君がどうかしたの?」
矢羽々が声を掛ける。
「今の、翔真の声だった。何で翔真が……? 翔真、翔真っ、いるの、翔真っ! いるんだったらでてきてっ。ママはここよっ!」
万城目がところかまわず叫ぶ。
翔真の声ということは、さきの放送が男の子の声に聞こえたのだろうか。そんなはずはない。あれは女性の声だった。万城目の変容に困惑している参加者達を見る限り、間違いない。
矢羽々が万城目のそばにやってきて、息子ではなく女性の声だったと説明する。最初は翔真の声だと言い張っていたが、矢羽々が優しく根気よく諭したおかげで、次第に落ち着気を取り戻す万城目。すると自分に向けられている奇異の目に気づいたのか、
「す、すいません。聞き間違いだったみたいです。先を続けてください。あの、本当にすいません」
と恐縮するようにして身を引いた。
突然の幕間のあとは、かじ取り役の周防の出番だ。私を含めた数人が彼女に視線を寄越す。皆まで言うなとばかりに名探偵のハスキーボイスが響く。
「放送の人物がどこにいるか、性別はどっちなのかなど些細な問題だろうね。注目すべきは三の項目。ゲームがフェアであることを名言し、そのあとの文言は、ゲームをする上での重要な約束事であることを示唆している。要するに〈ジェーン・ドウ・ゲーム〉は公正で嘘がない。且つゲームをクリアするには、ジェーン・ドウが誰であるかに至った経緯に、論理的な説明を求められる、と」
周防が腕を組んで右手で顎を撫で始める。思考中なのだろうか。何か掴みそうな、そんな気配も感じられた。
「〈始まりと真実の部屋〉、開いたのかな」
すると、ぽつりと呟くメイ。
唐突な放送で失念していたが、十八時になったらその〈始まりと真実の部屋〉に行こうとしていたことを思い出す。
「あ、それ、〈始まりと真実の部屋〉。十八時に開くんだろ? 取り合えず行こうぜ」
メイの声が聞こえていたのか、庭野が我先へと〈始まりと真実の部屋〉へ向かう。そのあとをメイが追い、北条、万城目、矢羽々と続く。屋根裏乃も続くかと思いきや、周防の元へ立ち寄った。
「あのぉ、周防探偵」
「なんだい?」
「も、もしかしてなんですけど、〈ジェーン・ドウ・ゲーム〉がどんなゲームなのか、分かったのかと思いまして。あっ、ほらっ、あのっ、周防探偵って何か重要なことに気づきそうなとき、こうやるじゃないですかっ。だから」
屋根裏乃が腕を組んで右手で顎を撫でる。さきほどの周防の真似をしているらしい。あの仕草の意味まで知っているとは、周防にくびったけといった感じだ。
「よく知ってるね。君の言う通りだよ。ただ、あまりに漠然としていて、今の段階で口にできることは何もない。さて、我々も〈始まりと真実の部屋〉に行くとしよう」
その我々には、屋根裏乃のほかに私も含まれているらしかった。なんとなく出遅れて、屋根裏乃の動向が気になっていただけの私に行かない理由はない。立ち上がると、周防と屋根裏乃に続いた。
真っ白かった。
床も壁も天井も全てが。
窓や家具やインテリアなどもなく、ひたすらに純白の空間。そこに有形の物体が一つだけ、部屋の中央に置かれていた。
死を連想させる箱、棺である。
そして――周囲同様に白一色の棺桶であるその中には人が横たわっていた。
両手の掌を胸の下で重ね合わせるようにして、目を閉じている女性。彼女は一糸まとわぬ姿で雪のように肌が白く、背中まで伸びた艶やかなブロンドの髪を持ち合わせていた。瞳を閉じた状態ではあるが、美貌であることが分かる瑕疵のない造形であり、どこか神秘的、超常的で、非現実的でもあった。
ふと、デジャブが過る。どこかで見たかと過去に遡れば、サイトである〈ジェーン・ドウの館〉に表示された女性であることを思い出した。
「この女性、生きてるんですか?」
私は率直な疑問を口にする。
真っ先に〈始まりと真実の部屋〉に入って情報量が多いであろう庭野が、最後に来た私に得意げに話し始める。
「いや、死んでるはずだ。この棺に透明の蓋が重ねてあるのが分かるか?」言われて目を凝らすと、確かに透明の蓋があった。あまりにも透明度が高く気づけなかった。「蓋は完全に密着していて酸素の入る隙間が全くねぇんだよ。棺もくまなく調べたが、小さい穴すら見つからねぇ。呼吸ができないから死んでいるってわけだ。ただ、死んでいるわりには綺麗な状態なんだよなぁ」
庭野が口を閉じる。その先の考察はまだのようだ。
「エンバーミングでしょうか」
それは北条。頭上にクエスチョンマークを浮かべる人間が(私を含めて)数名いたのを察したのか、北条が横文字について説明の時間を設ける。
「エンバーミングとは、遺体の保存・防腐・殺菌・修復などの特殊な処置のことを言います。故人をできるだけ生前の姿に近づけ、とどめておくための技術なのですが、処置によっては十日から二週間程度、腐敗をさせることなく保存可能です」
「じゃあ、そのエンバーミングなんじゃねぇの」
「あとほかに、冷凍睡眠って可能性はないかしら。ほら、フォーエバー・ヤングっていう映画でそういうやり方があったじゃない。あの映画だと主人公が五十年も眠ってたはずよ」
フォーエバー・ヤングという映画は知らないが、コールドスリープなら知っている。その冷凍睡眠は生きている人間が対象だが、遺体を対象にした冷凍保存もあったはずだ。どちらでもいいのだが、これらを実行するには大がかりな装置が必要なのではないか。そういったものが全くないことを私が指摘すると、
「なら違うわね」
矢羽々はあっさり引き下がった。
「だからエンバーミングなんじゃねぇかって言ってるんだよ。名探偵はどう思うよ?」
困ったときの周防翆玲である。実際、彼女が間違った見解や判断をするとは考えられない。ここで周防がエンバーミングだといえば、エンバーミングなのだろう。
「ふむ。エンバーミングか。だとすれば切開したあと縫合するはずだが、体にはその形跡が一切見当たらない。一般的に頸動脈のある場所を切開するのだが、うっすらとした傷すら見えない。脇の下や二の腕の内側の切開の場合、ここからでは見えないので、傷の有無での判断はできないが、どちらにせよ、あまりにも綺麗すぎる。北条さんが言っていたが、エンバーミングは、故人をできるだけ生前の姿に近づけてとどめておく技術。しかしこの女性はまるで生きているかのように美しい」
最後、感嘆するかのようにため息を漏らす周防。
「じゃあ、生きてるってこと?」
とメイ。
「いや、生きてはいないだろう。そして死んでもいない。つまり、この女性は精巧に作られた人形なのではと、わたしは思っている」
――人形。
ストンと胸に落ちるものがあった。神秘的、超常的で、非現実的だと思ったとき、その可能性が一瞬、垣間見えたのだから。
「そ、そうですよ、人形で間違いありません。だってさっきの放送でもあったじゃないですか。〝参加者である九人以外の人間は存在しません〟って。だから生死に関係なく人間じゃないんです。この女性は限りなく人間に見える人形なんですよ」
屋根裏乃が周防の可能性を補強する。
誰も異論を唱えない。彼女は人形という結論に達したようだった。
「人形だとして、じゃあ、こいつは誰なんだよ」
「ジェーン・ドウじゃないでしょうか。人形だとした場合、その呼称が相応しいか分かりませんが」
「そうよ。この人形がジェーン・ドウなのよ。それしかないじゃない。名前だって分からないし、この洋館は〈ジェーン・ドウの館〉なんだから」
「わたしも彼女がジェーン・ドウであると思っている。矢羽々さんの言った理由だけでほぼ説明がつくが、〈ジェーン・ドウの館〉のサイトに写っていた顔と酷似し、何より館の入口の上にあるオブジェとも瓜二つとなれば、そう思わざるを得ない」
庭野の疑問に北条がジェーン・ドウの名前を出し、矢羽々がその理由を付随させる。最後の周防の情報により、人形である彼女がジェーン・ドウとなった。
実際、それ以外に相応しい解はないだろう。となると、こんどは別の問題が浮上する。このジェーン・ドウは誰なのだろうかと。
――ああ、そうか。
「ということはですよ。この〝ジェーン・ドウが誰であるか〟を明らかにするのが、ボク達のやるべきことになりますね」
と、ボクっ娘屋根裏乃。
その通りである。大理石に刻まれていたクリア条件を素直に解釈すれば、そういうことになる。それ以外、考えられない。
「それがゲームなんですか? なんか、思ったより単純なゲームですね」
「良かったじゃない。単純で。難しいよりいいわよ。それでね。私の予想なんだけど、書庫で調べればジェーン・ドウの正体が分かるんじゃないかって思ってるの」
「正にそのための書庫って感じだよな。よっしゃ、善は急げだ。さっさとこの全裸女の正体を暴いて二千万頂こうぜ」
万城目と矢羽々が、庭野に同調する。
「あ、ちょっと待って。書庫に行く前に、部屋割りしておいた方がいいと思う。ほら、空いている個室が十あったでしょ? あれってゲームの参加者用だと思うんだ」
「森野さんの仰る通りです。二十四時間拘束されるわけですから一人で過ごせる個室は絶対に必要です。それで部屋割りなのですが、自己紹介順に左の1号室からはいかがでしょうか。どの部屋も飾ってある絵画以外はすべて同じなので問題ないと思います。未だ姿を見せないもう一人の参加者は周防さんの右隣となります。どうしてもこの部屋がいいという方がいらっしゃったら、遠慮なく仰ってください」
北条が挙手を求める。
そんな参加者がいるのだろうか。
屋根裏乃がそっと手を上げる。
いたようだ。
「どうぞ。屋根裏乃さん。どこの部屋をお望みでしょうか。ただ、あくまでも希望であって、本来の部屋主の方との相談となりますが」
「えっと……あの……その……ですね」
屋根裏乃の視線が周防に流れる。ああ、そういうことかとすぐさま理解した。
「おい、眼鏡。早く言えよ。部屋なんてどこだっていいだろうが」
苛つく庭野が屋根裏乃の逡巡に止めを刺す。
「う……。な、なんでもないです。部屋は自己紹介順で――」
「では、不在の参加者の部屋と交換しましょう。周防さんの右隣の9号室ですね」
北条も屋根裏乃の気持ちを承知だったようだ。
屋根裏乃は表情に花を咲かせて北条の申し出を受け入れた。
「これからゲームクリアのための情報収集となるんだよね? だったらある程度の時間……二時間くらい? が経ったら、また円卓に集まったほうがいいんじゃないのかな。情報の共有も必要だろうし。どう思う? 周防さん」
メイが周防に判断を仰ぐ。当の名探偵と言えば、腕を組んで難しい顔をしている。それは庭野達が書庫へ向かおうとしたときからだったような気もした。
もう一度メイに名前を呼ばれて、周防は自分が判断を求められていることに気づく。
「ああ、そうだね。ならば森野さんの言った通り、二時間後の二十時二十分、また円卓に集まり、各々が見つけたジェーン・ドウの正体を暴くピースを合わせていくとしよう」
それが解散の合図となり、〈始まりと真実の部屋〉から出ていく参加者達。
「まずは自分の部屋かな。ちょっと休みたいかも」
メイが両手を上げ、大口開けてあくびをする。
「寝ちゃだめだよ。二時間後に起きましたとか笑えないから」
「大丈夫だって。メイ、いつも寝るのは十一時って決まってるから」
「自称十三歳には遅いと思う。良い子は九時には寝なくっちゃ」
「じゃあ、メイは悪い子ー。ふふ。行こ、琉花」
悪い子じゃなくても〈ジェーン・ドウ・ゲーム〉に参加している以上、イケナイ子なのは間違いない。
「あ、あの周防探偵。もし良かったら、あとで今まで解決してきた事件についてお話をお聞きしたのですが……よろしいでしょうか」
背後から聞こえる、屋根裏乃のおずおずとした声。
ミステリ小説の読者で執筆までしている屋根裏乃にしてみれば、名探偵という属性を持つ周防は、物語の世界から出てきた王子様みたいなものだろう。なのでその攻めの姿勢は理解できる。が、周防への興味がゲームへの集中力を削いでしまっては困りものである。
「うん。構わないよ」
「本当ですかっ。で、では早速、ボクの部屋か周防探偵の部屋で――」
「あとで。だよ。まずはゲームだ。時間は有限。優先すべきを優先しなければならない」
「す、すいませんっ。はい、その通りですっ。ボクったら。たはは……」
攻めの姿勢をあっけなく崩されて、例の全力謝罪を発動させる屋根裏乃。
私はそこまでを見て、〈始まりと真実の部屋〉のドアを開けて待ってくれているメイの元へ。それでも周防の言葉は耳に入ってきて、私の胸中は不安で満ちたのだった。
「〈ジェーン・ドウ・ゲーム〉は命を失う危険が潜んでいるゲームなのだからね」
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