010.レッツ・嫁イキング~2人目の嫁・ユミネ~

いつもありがとうございます。


遅れまして申し訳ございません。

活動報告に書きましたが、体調を崩してからズルズルぐだぐだとしておりました。

久々の更新になってしまいましたが、どうぞお楽しみください。

――――――――――――――――――――――――――――――――





「……ん……」


「おはようございます、マスター」


「あぁ、おはよう。シラユキ」


 船内探検をしてから、数日後。


 精神的な疲れを存分に――シラユキで――癒やしたオレは、シラユキの微笑みとともに目を覚ました。

 ここのところ毎日感じている膝の柔らかさが最高の目覚めを演出してくれている。


 オレが喜ぶと分かってくれているからか、どうやらシラユキは目が覚める前には起きてきてこうして膝枕をしてくれているらしい。


「んっ……ふふっ……よくお眠りになられていましたね」


「いつものことながらシラユキの抱き心地は最高だからな」


「ぁぅ……そ、それは良かったです……」


 下から手を伸ばして引き寄せおはようのキスをしてそういえば、シラユキは昨晩のことを思い出したのか顔を赤くしていた。


 今日、オレは新しい嫁を創る。


 そうなるとシラユキとふたりきりでいるのも最後になるからと、昨晩は特に張り切ってしまった。

 ……昨晩というか、二日前くらいからずっとだったから『二晩は』といったほうが正しいが。


 それからシラユキが入れてくれたオレ好みのコーヒーを飲み、その間にメイド服に着替えていたシラユキに着替えを手伝ってもらいながら身支度を整え、いよいよ準備は整った。


「よし……まずは通信長から創ろうと思う」


 MCで創り出した朝食を前にしながら、オレはテーブルの対面に座るシラユキに向かってそう宣言した。


「通信長……ですか?」


「ああ」


 この数日、ただただシラユキとイチャイチャしてただけではない。

 しっかりと、オレとこの愛しい嫁に加わる新しい嫁のイメージを固めてきた。


 まず最初に創る嫁を通信士にする理由は、その役割がオレやシラユキ・さらにこの後に創る嫁達のサポートを行う立場だからというのが大きい。

 オレの嫁という面以外ではシラユキの姉妹という位置づけにする以上は、姉としてシラユキを立て、妹たちの面倒を見てくれるような嫁が良い。


「――というわけだ。だから通信長を新しく創る嫁たちの中では一番上の姉にしようと思う」


「なるほど、ありがとうございますマスター。初めての妹……楽しみにしています」


「ああ、期待しててくれ」


 オレが通信長を最初に創る理由を話すと、シラユキはそう言って微笑んでくれた。


 正直なところを言うと、その理由というのは後付だったりするのでシラユキの純粋な笑顔を見ていると若干後ろめたい部分もあるが……まぁ嘘はいっていないのでいいだろう。


 元々オレが考えていたのは、シラユキとは違うタイプの嫁を創り出したいという欲からくるものだ。

 シラユキはオレの中の『最高中の最高の嫁』だが、オレの中に他に『最高』がないわけではない。


 いくつかあるその『最高』の中でオレが創りたくてイメージしている『属性』と通信長という立場が噛み合う気がしたから、最初に選ぶことにしたというだけで……。


 1人の『最推し』が存在していたとしても、他にも推しがいたっていいじゃないか。

 だってオタクだもの。


 ……なんて言い訳を自分の中で正当化しつつ、昨晩までにハッスルしすぎて失ったカロリーを接種し終えたオレはベッドに横になった。


「よし! じゃあまたマニュアルを起動するから……シラユキはのんびり過ごしていてくれ」


「はいマスター。それならお傍に居させていただきます。あ、またお時間がかかりそうでしたら、途中で休憩を取られてくださいね」


「わかった、ありがとな」


 オレの頭を抱えて膝枕の体勢に移行するシラユキに礼を言ってから、オレは目を閉じて『生体作成プログラム・改製人類編』を起動する。


 シラユキのときと同じように『ようこそ』という一文の後に、またネトゲのキャラクリ画面のようなマニュアル作成画面が表示され、オレは今回創る嫁のイメージを思い起こした。


 オレが創る『もうひとつの最高』……シラユキが『美しい』と『可愛い』の絶妙なバランスを取っているとしたら、今回の見た目はひたすらに『美』を追求した存在だ。

 そして改製人類を創るときの制約を加味して普通の人以外の特徴を加えるとして……オレの中で『美しいと言ったら?』という問いに対する答えが『そりゃエルフでしょ』だった。


 ファンタジーでは定番のアレだが、その美しい容姿と森の中に美声を響かせているイメージが通信長というポジションにぴったりのコンセプトだと勝手に思っている。


 その容姿を見た・声を聞いた相手が思わずため息を付きたくなるほどに美しい存在……対外的なことも担当する通信長ならきっと良い方向に働いてくれるだろう。

 何よりそんな美人を嫁にできたらオレが嬉しいからな!


「(さて……)」


 内心でワクワク感と欲望を肥大化させ、それを燃料にしながらオレは作成に取り掛かった。


 シラユキのときと同じく、まずは全体を創り上げてから最後に調整を重ねていくやり方だ。


 身長……。

 スラっと背が高くて……ただオレより高いのはなんとなく困るので、オレと同じか少しだけ低いくらいにしておこう。数字にすると170cmちょっとか。

 オレの中の女の子のイメージとしては十分に長身だ。


 顔……。

 今回もここが重要なポイントになるな。

 寸分の狂いなく、オレがイメージする『美しい顔』に仕立てていこう。


 髪……。

 エルフと言ったら金髪だろ常識的に考えて!

 サラサラで、その場に居るだけで周囲が明るくなるような……透明度の高い金色だ。

 長さはオレとシラユキよりも長い、膝裏を超えそうなくらいの超ロング。


 目と瞳、睫毛……。

 瞳は髪に合わせて金色で、美人さんらしく少しだけ切れ長にしつつもキツく見えない程度のバランスを目指そう。

 たっぷり睫毛は標準装備だな。


 眉毛……細め。太眉が悪いとは言わないが美人エルフは細眉だろう。

 鼻……小鼻だが、鼻筋がしっかり通っているようにするのが美人ポイントだ。

 唇……厚さは薄めで、それでいてしっかりと瑞々しさを味わえるように……。

 舌……ふむ、やはり話すことも仕事になるのだから『よく回る舌』にしなくてはならないな。もちろん、その舌技にも期待をしてしまうが。

 頬……美人顔に振り切るから、シラユキのときよりも『シュッと』した感じになるだろう。


 そして耳!

 エルフとしての特徴でもある長く細い耳だ。

 人によってエルフ耳のイメージは色々あるかもしれないが、オレの場合はしっかり長めなのが好みだ。

 この耳を『はむはむ』と味わうのが楽しみだな……!


 …………。


 ……………………。


 ………………………………。


「(…………ふぅ)」


 また、顔の基本形を決めるだけで丸一日かかってしまった……。


「……すー……すー……ん……ますたぁ……」


 気づけば時刻は深夜。

 シラユキはオレの隣で可愛らしく寝息を立てていた。


「はは……幸せそうに寝ちゃってまぁ……」


 オレはシラユキの頭を軽く撫で、嫁成分で気疲れを吹き飛ばしてから再び目を閉じて集中を始めた。


 次は首から下の基本形を創っていく。


 首は……細く、肩の細さとのバランスをとるのはシラユキのときと同じだ。

 腕は身長に合わせて少し長めに……指先まで美しく見えるように。


 そしてやってまいりました、おっぱいタイム!

 大きさは大きめを意識するが、それよりも今回は形の良さを重視する。

 結果的にはシラユキよりも少しだけ小さくなりそうだが……美しさのためだ。

 ツンと尖った先っぽがまた美味しそう……おっと、それはお楽しみに取っておこう。


 お腹周りと腰回り……細身長身のイメージに似合うようにほっそりと。

 ただ病的な細さにならないように注意する。

 腰の位置は少し高めで……おお、一気にモデル体形っぽくなったな。


 尻は……身体のバランス的には小さめだが、しっかりとした肉付きがあるようにすることで背中へのラインが美しくなる。


 太ももは……キュッと引き締まった感じで。

 むっちり感はすこーしだけ残しておこう。

 美人の足ってどうしてこう、頬ずりしたくなるような太ももになるんだろうな……。


 アソコは……機能的にはシラユキと同じにしつつ、体のバランス的にも『中も細い』感じになりそうだ。


 っと、性格設定なんてのがあるのか……。

 シラユキの時は元になるAIちゃんが精神そのものみたいだったけれど、今回はイチから創るから性格の方向性のようなものが設定できるようだ。


 そうだな……。

 物腰穏やかで丁寧な……男が勝手に想像する、昔ながらの大和撫子タイプだな。

 外見は金髪美エルフな大和撫子……なんだか良いじゃん?

 夜は意外と大胆なイメージがあるところもポイントだ。


 ……よし、これで全体の基本形ができたな!

 あとはひたすら調整を重ねていく作業だ……。


 …………。


 ……………………。


 ………………………………。


「でき、たぁ……!」


 そして作成開始から三日後の朝、オレの脳内では『大和撫子な美エルフ』の完璧な姿が出来上がっていた。

 これを実行して……よしっ!


「――マスター……マスター……!」


「んぁ……あ、あぁ……どうしたシラユキ……?」


 やっぱり集中しすぎていたらしく若干ボーッとする中で、シラユキの必死な呼びかけがようやく耳に入ってきた。


「あぁ、よかったです……マスターがお休みを取られていなかったようでしたので……」


「すまん……やっぱり一気に創りたくなってな……」


「心配しました……あとは私が見ておきますので、どうかマスターはゆっくりお休みください」


「わかった……少し寝る……」


 部屋の中がMCが稼働する青白い光で満たされる中、オレは心配するシラユキに見守られながら秒で眠りについてしまうのだった……。




――――――――――――――――――――――――――――――――

あとがき

お読みいただき、ありがとうございます。

少しでも「性癖に刺さった(刺さりそう)」「おもしろかった」「続きはよ」と思っていただけたのでしたら、「フォロー」「レビュー評価」をよろしくお願いいたします。

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ファンタジー世界を舞台にTS主人公が女学院で繰り広げる恋愛話もしっかりめのイチャラブも連載中ですので、合わせてお読みいただけると大変嬉しいです。

作者情報または下記URLよりどうぞ!

https://kakuyomu.jp/works/16817139554967139368


次回、「君がエルフで主がオレで~最初の『おつとめ』~」

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