第36話 あの日のあなたへ

you shuji Kiyo

Janne Da Arcの3人のライブに行ってきた。yasuは休養中なので、3人でのライブだ。場所は渋谷サイクロン。夜の部。


Janneが解散した時。2019年4月1日で、「解散しますので、解散ライブします」ではなく、「解散しました」という結果の報告だった。

Janneは2006年に「HAVEN」の最後のシングルを出した後、yasuがソロプロジェクトとしてAcid Black Cherryをはじめ、こちらが大ヒット。 Janneとしての活動はぷつんと切れてしまっていた。


ABCがセカンドアルバム「Q.E.D」を発表した頃、高校時代の友人と会った。友人は年季の入ったジャンナーだ。今頃友人はどうしているだろうか。


私「いやー、ABCこんなに人気出るとは思わなかったわー。ビビったわー」

友人「でも私は、昔のジャンヌが好きだな。ABCは好きだけど、ジャンヌのあの感じが恋しくなるんよ」


ジャンヌのあの感じはABCにはない。

なんだかそれはよくわかるような気がした。


全体的にABCは洗練されているのだ。ヤスが得意なエロ曲もなんだかスタイリッシュになっている。決してジャンヌがスタイリッシュじゃない、と言っているのではなくて、聞き比べて、と言うところで。

セクシー路線の曲で例えるなら、中学生の妄想がしっかりとした官能小説になっていた、みたいな。……あんまいい例えじゃないなこれ。


ジャンヌが好きだ、と言う人の気持ちがよくわかる。

ABCはバックバンドが最高のメンツが揃っている。HIRO様(様付けさせて)、SUGIZO、SHUSE。この時点で色々勝ってる。そもそも、この時点で人気でなかったらおかしいぞ!!!


ジャンヌはジャンヌたらしめる最高の4人が揃っているのだ。


なんというか、3人のライブに行って感じたのは、あのバンドは、自分の音の主張ももちろんあるけれど、それ以上に互いのサウンドを自分の音で補い、引き立たせていたんじゃないか、と言うこと。

生で聞くとドラムのShujiの存在がでかい。パワフルと言うよりも、腹に届く力強さを感じた。時に甘いyasuの歌声を支えてくれている。

それからジャンヌのなんといっても強みはキヨちゃんの存在だと思っている。キーボードがいるだけで、音の広がり、曲の広がりが違うんだよね。

そして私はyouちゃんのギターにちょっとくらっときた。かなり技巧的なんだけど、余裕やんけ……!


このライブで、私はジャンヌのライブに初めて行った……と言っていいのだろうか。デビューした後の曲を中心のセットリストだったのと、曲数がとにかく多かったので、「あああ、feel the wind…」とか「いきなりシルビアきたーー!!」「と思ったらヴァンパイアか!!」など、割と情緒がすごかった。自分が思った以上に楽しんだライブだった。


でも周りのジャンナーはもっと情緒がすごかっただろう。

ほぼ20年ぶりぐらいに生で聞く「メシア」なんて、涙腺が崩壊してもおかしくない。


考えてもみる。もし、好きなバンドが解散もしなければ活動もせず、もしかしたら再開してくれるかもしれないという淡い期待を抱いたまま10年以上経って4月1日付で「メンバーが一人脱退しました。本日付で解散しました。」と結果だけYahoo!ニュースに事実だけが飛び出てしまっていたら。


私は好きな気持ちをどうやって処理したらいいのだろうか。

恨みたいような泣きたいような気持ちでいっぱいになるだろう。

ジャンヌのファンはそんな不完全燃焼を抱えた人が多かったんじゃないだろうか。


思った以上に楽しんだライブだった、とさっき書いたけれど、最後のメシアを聞いた時たぎったよ、わし。ジャンヌ好きなんだなー、わし、と思った以上に実感したライブだった。


後何気にあれ、と思ったのが、このハコ、きたことあるかも。

つーかきた。確か、HIROとKOJIのライブだった気がする……。いや、渋谷はハコ多いから違うかもしれんが!!


そんなこんなで情緒がおかしい1日だった。カセット、どうやって聞こうかな……。


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