第2話

悲鳴は集団の中の女性から聞こえた。


姫様姫様… そう呟いている声が聞こえる。


どうやら中央にいた人が死んでしまったらしい。

というか姫がいたんだな。


よく分からん状況で、よくわからん場所で、よくわからん階級の人が死んでいる。


こんな事ってあるんだ。ここまでわからんづくしは人生でそんなにもないだろう。




下手に動くと何か言われそうだがそれでも逃げるんですけどね。

俺がいていい空間じゃないだろう。


そして彼らを避けようと足を一歩踏み出すとずっこけた。


それはもう見事にびたんと。


いやーまいったね。

まさかこの魔法陣彫られているとは上に塗られている形式ではなくて、彫られていて溝がいっぱいできてるんだよ。


いやもちろん気づいてはいたよ。気づいてはいたけどね。

だが焦って頭の中から消えていたようだ。


急に彼らは静かになった。

あれだけ騒いでいたのに、俺の倒れる音は彼らの騒ぎを鎮めることだったようだ。


すると一人の男が立ち上がって、こちらにどすどすと向かってきて、胸ぐらをつかんでいきなり殴ってきた。


あ、失神する…。


本日二度目の失神です。








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