奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
つる様、このお話、何度読み返しても可笑しいです!
皆さま、悲劇ととらえておられる方が多いようですが、友未は思わず落語の「花筏」を思い出してしまいました。つる様はご存知ですか?ひょんなことから病で寝込んでいる江戸相撲の大関「花筏」の影武者を引き受けることになった提灯屋の源さんが、土俵には上がらない約束だったのに巡業先の土地の大関と相撲を取らなければならない破目になってしまい、絶対勝てるわけがないのに勝ってしまうというお話です。つる様のこのお話、確かに悲劇風の顔をしてはいますが、最後のシーン、勝った本人自身が呆気に取られて、きょとん、ポカーンとしている様子がまざまざと目の前に浮かんで来て、友未は可笑しくて可笑しくて大苦笑させられてしまいました。
ただ、このお話も「花筏」も、結果は大いに意外なのですが、なぜそうなったのかは合理的に説明できそうです。「不条理」と呼ぶには、作中の主人公だけでなく、読み終えた読者を困惑させるような不可解なパンチ力が欲しい気もするのですが、いかがでしょうか?
作者からの返信
友未 哲俊さま
ありがとうございます。
落語のようなオチの話と言えばそうかもしれませんね。でもわたしは友末様のご感想を頂くまでこれは「人間の無情」の話だと思って書いて読んでいたので「……ほほう」と意外な気持ちで一杯です。なるほど、そういう捉えかなもあるのだな……としきりに感心?しております。読む人によってものがたりとは変化するものなのですね……!
編集済
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
企画から参りました。いや、素晴らしい!この非常に練り上げられた巧みな文体に、うぐ、とうめかせる様なこのエンディング!正しくエッジの上を走るような素敵な作品です。こんな作品が読みたくて今回企画を開いただけに、本作に出会えたことは僥倖と言えますでしょう。企画を開いた甲斐があると言うものです。大変好みの作品です。大満足です。最大限の感謝を。
作者からの返信
間川 レイさま
お読みいただきましてありがとうございます!
また素敵な企画のご立案も感謝です。企画内容を拝見して「これならいけるだろう!」と信じて出した作品でしたので、そのお言葉、当方にとっても僥倖以外の何物でも無いです。よかったです!ラストに呻いて頂けてうれしいです。
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
こ……これはどうしようもなく辛い結末……。
毒の存在はどう考えても露見するでしょうが、なんかその際も、下手人はいい感じにうやむやにされそうな気がしますね……。
時に、負けるよりも遥かに辛い勝利というものはあるんですねえ……。
作者からの返信
五色ひいらぎさま
おいでくださりありがとうございます……!!
しかも救いようのない話でさぞかし「うぐっ」となられたでしょう……。第三者の悪意でどうにもならなくなっていく人間、みたいのが書きたかった作品なので、後味悪くてすみません!
毒のことは詮議されるでしょうか、どうにも、このヴェロニカお嬢様、イザークをかばい立てする気がしないんですよね……。ただでさえ騎士としての誇りを偽りの勝利で折られてしまったイザークには、いい未来が待ってる気がしません。そんなことも匂わせて付けたタイトルなのでした。「死んだ」のはアウレールだけではないのですよね。
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
おーう、陰惨な結末……
納得がいかないだろう勝利だ
作者からの返信
幼縁会さま
お読み下さりありがとうございます……!!
第三者のどうしようもない悪意で人生が狂っていくような話が書きたかったのです。偽りの勝利をどう受け止めて、彼はこれから生きるのでしょうね……。
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
甘い雰囲気で始まったと思いきや、鬱とした余韻が残る骨太な短編でした。
イザークは仕向けられた方法で愛しい女性を手に入れてしまい、傷ついた誇りは一生回復できない。そして、そのように仕向けた自分勝手な女性と添い遂げることになる。もうどこか遠くに旅に出るといいと思います・・・。
匂い立つような美しい情景描写が素晴らしかったです。
作者からの返信
神崎あきらさま
読了ありがとうございます。
レビューにお書きいただいたように「騎士にとっては誇りを失うほどの屈辱はない」わけで、タイトルの「ひとりの騎士が死んだ」はイザークのことでもあるんですよね。アウレールは命を、イザークは騎士としての生を奪われてしまった、という意味で。
イザーク、旅に出られるといいんですけどね、毒のことはすぐ詮議されてしまうでしょうし、ヴェロニカお嬢様がかばい立てするとは思えないし、彼の行く先には暗い未来しか待ってないように思います。
第三者の悪意で、誰かの人生が思わぬ形で歪められ狂っていく話を書きたかったので、そんなことを感じ取っていただければなお幸いです。
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
妙に後味悪いお話しもお得意なようで!
仕組まれた展開とその結果
イザークが可愛そう!
ヴェロニカも中々の悪女ですね
作者からの返信
蒼河颯人さま
読了ありがとうございます……!!
はい、後味の悪いものがたりは、かなり得意と自負しているところでして(苦笑)
ラストのイザークの動揺たるや、かなりの衝撃でしょうね。彼にはどうにも出来ない第三者の悪意の残酷さ。
ヴェロニカはきっと、このあと毒のことを詮議されても、イザークを庇わないんでしょうね。怖い女、極めたりです。
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
うわーっ!なんか気になる話だと思ってグイグイ読まされてしまった……!
まさかの結末!!というか仕組まれた結末!!
イザークさんにはものすごくキッツイ事だろうなぁ……毒の事はたぶん判明してしまうだろうし、本人はアウレールさんに一矢報いたいとは思っていたとしても、こんな形で陥れようなんて思っていなかったのに。
そしてお嬢様おそろしや。
本人の意に沿わない結婚を仕組むお父さんがひどい、と思ったら、十分以上に血を引いておられる。
情景が目に浮かぶような描写で、引き込まれるお話でとても面白かったです!
作者からの返信
しらすさま
お読みいただきましてありがとうございます!
お題に沿って力業で書き進めたような作品ですが、グイグイ読んで下さったとは嬉しいです。
ほんと、イザークからすれば「そりゃないよセニョリータ!」な話ですよね。生涯敵うことないと思っていた相手に、こんなかたちで勝ってしまって。わたし、第三者の悪意で主人公がいつのまにかどーにもならない状況に追い込まれていく、という展開が好きなんですが、それが存分に発揮されたラストとなりました。
ヴェロニカお嬢様の悪女っぷりも恐ろしいですよね。拙作一二を争う悪女キャラが書けた……と感慨深く思っています。
バトルシーンを描くのが久々だったので、それに苦戦したのですが、そこも含めて情景が浮かんでくれてたら嬉しいです。ありがとうございました。
編集済
奴に敵うことなど、どう足掻いても、なかったへの応援コメント
イザークにとってアウレールは、騎士としての象徴のようなものだったと思います。だからこそ、負けて見る夜空に清々しさを感じることができたし、騎士という生き様にも自分だけでは持つことができないほどの誇りを持てていたのではないでしょうか。
けれど、その象徴が下らない小細工で殺されてしまった。これは、真剣勝負で2度と勝つ機会を失っただけでなく、騎士としての生き様という概念すらも陳腐に貶めるとても失望的な出来事のように感じます。
綿密に為された描写とその裏で渦巻く無思慮な無情さがとても心に残る作品でした。企画参加ありがとうございます。
作者からの返信
武さま
ようこそおいでくださいました。
レビューもありがとうございます……!
レビューでまとめていただけたように、アウレールにとっては生命の「死」なんですが、イザークにとってはまさに「騎士という概念の死」なんですよね。ズバリ書いてくださってうれしかったです。タイトルの「死んだ」は双方に引っかけてあるわけでして……!
第三者の悪意や細工で、どうしようもなく人生がねじ曲げられていく無情さが書きたいと思って書いた作品でした。お心に響いたならうれしいです。