第103話  詩になれぬ

満たされぬ空虚にのせて、夢を食む今の気分は皆既月食



少年は詩になれぬと嘆き、船 このまま飛ぼうよ、星の紛れと



飛び星と夢のまにまに芙蓉の香 少年酷愛に身を亡ぼす



夕間暮れ赤飯(あかまんま)と幼子の小さな秋はついに見つけぬ



菊人形少年蔵に寄れる影 隠れた蜻蛉零れた吐息

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