小夜更ける、月時雨

第31話 ノートに夜の雫

甘酸っぱい杏子のように薫る恋 夏蜜柑も仲間に入れて



薄月夜 男辻君哀れなり 千本鳥居の御贄のように



心臓の星を止めてよ、花疾風 僕もいつかは冥土へ逝くから



山茂り 夏草枯れて恋、締まる ノートに夜の雫を落とす



望んでも生き長らえて少年は後悔始め、夕月夜呑む


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