第12話

アオ「ありがとうございました」

ラジャル「お、戻ってきた、どうだった?」

アオ「特に問題はありませんでした、すみません」

ラジャル「なに、気にしないでいいよ、ていうか俺の指示なんだから」


アオはラジャルの指示で病院に来ていた。

襲撃で特に目立った傷は無かったものの、念の為とラジャルが行ってくるように指示をしたようだ。


アオ「そういえば訓練はどうしてるんですか?」

ラジャル「ん?リクに見て貰ってるよ」

アオ「大丈夫なんですか?」

ラジャル「リクなら大丈夫だよ、皆とはかなり仲良くやれてるみたいだし」

アオ「そうですか.....それでは私ここでお先に失礼させていただきます」

ラジャル「はーい、ナンパには気をつけてね~」


ラジャルは陽気な事を言いながら見送り、アオはいつも通り無視する。

この2人もなんだかんだ仲が良い。


ラジャル「.....さて、俺も帰るか」


帰ると言っているが、訓練所とは全くの逆方向に歩き出す。


ラジャル「.......」


かなりの時間を歩き、とうとう人目のつくことはない森の中にやってきた。


ラジャル「そろそろかな....出ておいでよ」


すると、物陰から人が出てくる。

明らかに敵意のある視線を送ってくる。


ラジャル「....部下と居る時は襲わず、わざわざこんな誘いにも乗ってくるなんて、明らかに俺狙いだよね....誰だい」

「俺はナリバ....お前を殺す者の名前だ」

ラジャル「おぉ、随分と大きく出たね....」


こいつが一体どこの誰で、誰の指示で動いたのか、気になることは沢山あるはずだが、ラジャルはそんな事1ミリも考えていなかった。


ラジャル「まぁ頑張ってみなよ、君の生きている間は名前を覚えといてあげる」


その一言から、お互いに戦闘モードになった。


ナリバ「せいぜいほざいてろ!#武器の支配人__ウェポンズモード__#!」

ラジャル「ん?」

ナリバ「俺の能力は自分の認識した物質に武器の性能を持たせる、例えばこの石ころも.....手榴弾に変わる!」


そう言ってラジャルに向かって石ころを投げ爆発させていくが、ラジャルはなんなく避けていく。


ナリバ「ははっ!避けたって無駄だぜ、ここいらの物全ては俺の武器だ!!」

ラジャル「へ~」

ナリバ「その間抜け面がお前の最後の顔だ!!木っ端微塵になれ!!!#永爆__エターナルエクスプロージョン__#!!!」


爆発によってできた瓦礫ごと爆発し、またそれでできた瓦礫も爆発していき、その場一体が大爆発を起こした。

普通なら生きていられるはずがない。


ナリバ(やはり噂だけの男だったか、大したことないな)

ナリバ「ははは....はっはっはっはっ!!!はっ....は......は?」

ラジャル「なんだ.....どんなものかと思えばただ大きな音をたてるだけか」

ナリバ「どういうことだ....、避けることなど不可能だったはずだ」

ラジャル「その通り、あれを避けるなんて無理、だから俺は避けていない」

ナリバ「何言っているんだ....ならなぜお前は生きているんだ」

ラジャル「さぁ....なんでだろうね」

ナリバ「ふ.....ふざけんじゃ....ねぇぞ!!!!」


ナリバは怒りをありったけの力に変えラジャルに殴り掛かるが.....


ナリバ「なっ....なんだっ、これは」


ナリバの動きが止まった。


ラジャル「答え合わせをしてあげよう」

ナリバ「くっ....!!」

ラジャル「俺の能力は支配」

ナリバ「支配!?」

ラジャル「そう、俺は自分の身の回りにある空間、時間、物、技、全てを支配下におくことができる。今俺が支配してるのはお前が俺に攻撃を当てるまでの時間だ」

ナリバ「時間....だと」

ラジャル「俺にその拳が届くまでの数秒を、数百秒にも数千秒にでも出来る」

ナリバ「なら...なぜあの爆発から生きていた!?」

ラジャル「俺の体の耐久力を上げてあの爆発で受ける傷を擦り傷で済ませて、回復速度を上げて完治した」

ナリバ「な....なんだと.....」

ラジャル「どうやら誰かの命令って訳でもなさそうだけど、どのみち俺をやった後は部下達を狙うんだろ?そんな事は絶対にさせない、ここで終わりにしようか」

ナリバ「舐めるなぁ!!!」

ラジャル「ふんっ!!!」


ラジャルの拳がナリバの体に突き刺さる、ダメージはただ殴られただけのものでは無かった。


ナリバ「ぐはっっ!!」

ナリバ(なんだ...これは....そうか、俺の体の耐久力を下げたのか....)

ラジャル「まだまだ!もうちょっと頑張ってもらうぞ!!」

ナリバ「このっ!!」


ナリバも反撃しようとするも....


ナリバ「くそっ!また!」


時間を止められ当たらない。


ラジャル「残念!!おらぁっ!」


ラジャルの強化された攻撃だけが重く積み重なる。


ナリバ「はぁ.....はぁ.....くっ.....はぁ」

ラジャル「さて.....そろそろ終わりにしようか」

ナリバ「くそっ....くそっ....!!」


ラジャルはその場にある石ころを手に取り、ナリバに向かって放り込んだ。


ナリバ「お前....まさかっ!!」

ラジャル「言っただろ?全てを支配下に置くって.....威力は数倍だろうから頑張ってね、えっと....ごめん、君の名前なんだったっけ?」

ナリバ「くそぉぉぉぉぉ!!!」

ラジャル「#永爆__エターナルエクスプロージョン__#」


この戦いの最後に起こった爆発は、最初に起こった爆発とは比にならず、森の3分の1が更地になった。


To be continued

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る