第10話
ラジャル「それじゃ、訓練を始めるんだけど....その前に、1人紹介したくてね....それがこの人!リク・フリードくんです!」
リク「どうも~!」
ラジャル「君たちの訓練、俺とアオとリクで見ていくから....ささ、自己紹介お願いね~」
リク「えっと、リク・フリードです、一応みんなの先輩ではあるんだけど、そこは気にせず何か相談事があったら言って欲しい、これからよろしくね」
リク・フリード
軽すぎず、重すぎずな性格をした好青年。
ハルマ達より3年早くここに入隊している。
ラジャル「よし、それじゃ訓練始めるよ!リクも初めてなのは気にせず、色々指導してあげてね~」
そして、訓練が始まった。
それぞれ対人訓練で能力を磨いていく。
アオ「どう?みんなを見てみて」
リク「そうですねぇ....正直想像以上です、かなり優秀な子達が集まってる、気になることがあるとするなら....」
アオとリクが話してる間に次の試合がはじまる。
ステラVSハルマ
ステラ「よろしくな、ハルマ」
ハルマ「うん、よろしく!」
ラジャル「それじゃ、よーい....はじめ!!」
開始のゴングがなり、ステラは距離を取ろうとしたが、ハルマは即座に距離を詰めた。
ハルマ「はぁっ!」
そのまま拳をぶつけるも腕でガードした。
ステラ「ってぇ!....なんて威力だ」
怯んでる隙にさらに蹴りで追い打ちをかけようとする。
ハルマ「ふんっ!」
ステラはバク転で避け、その勢いのまま蹴りを入れる。
ステラ「おらっ!」
ハルマ「うおっと!」
間一髪で避け、その間にステラは距離を取り能力を発動した。
ステラ「#一気撃ち__オールインワン__#!!」
能力によって作り出したのは拳銃。
この拳銃から撃たれたのは、ただの1発の弾ではなく、本来拳銃に装填できる6発分を1発分に凝縮してされている。
能力によってさらに強化されているため、その威力は拳銃とは程遠い。
ハルマ「#絶対防御__パーフェクトシールド__#!」
だがやはり、ハルマの壁は破れなかった。
ステラ「やっぱ硬いなぁ、だが俺はまだまだ撃てるぞ」
ステラはもう1つ拳銃を作り出し、両手で同じ技を繰り出す。
ステラの攻撃にハルマは防戦一方になってきていた。
ハルマ「くっ...なんとか攻撃を仕掛けないと...けど、どうやれば...」
ステラ「守ってるだけじゃ、俺には勝てねぇぞ!」
ラジャル「やめ!」
ハルマ「ちょ、ちょっと待ってください!僕はまだ」
ラジャル「やれるのは分かるよ、でもね君がやれることは自分の体術で突っ込むだけ」
ハルマ「っ!!」
ラジャル「俺は対人訓練を始める前から君を見ていたからよく分かる。君も気付いてるはずだよ、それだけじゃこれから先限界が来る、防御だけをとれば負けることは無いだろう、でも勝つこともない。厳しいことだし、俺もあまりこういうこと言いたくないけど、もう少し考えた方がいいと思うよ」
ハルマ「ですが....」
これはアオたちも危惧していたこと。
ハルマの攻撃手段は、格闘術だけ。
防御は10人の中で間違いなくトップではあるし、相当鍛えないとあれだけの威力を持つ格闘術は身につけられない。
ラジャルもアオも重々承知のことだった。
ラジャル「すまないね....訓練を続けよう」
そして、時間は流れ、今日の訓練は無事終了した。
ハルマ「はぁ.....」
アンデ「だ、大丈夫か?ハルマ」
ハルマ「うん....」
あれだけ言われたあとだから、ハルマはかなり落ち込んでいた。
ジョーカー「まぁでも、確かに防御は強いけど、攻撃技欲しいよな」
ハルマ「そうなんだよね.....僕もそれは思うんだけど」
ケイタ「なんかほら、シールドの形変えるとかさ」
アイズ「変えるって何に変えるんですか?」
ケイタ「ん~....尖らせるとか?」
ミコ「それもうシールドじゃないじゃん」
ケイタ「ぐっ」
ヒナ「ケイタって馬鹿だね~」
ケイタ「おめぇらには言われたくねぇ!」
馬鹿3人は置いといて、それでもハルマの攻撃技は必須であることは周知の事実だった。
アオ「厳しいこと言いましたね」
ラジャル「いやぁ.....やっぱり言い過ぎたかなぁ....いやでもなぁ、やっぱり克服して欲しいしさぁ」
アオ「柄にもなく気にしてるし、そんなになるなら言わなきゃ良かったじゃないですか」
ラジャル「いやだってさぁぁぁ」
アオ「はぁ....でも必要なことですよこれも」
ラジャル「まぁね.....でもあの能力には俺が思うにもうちょい奥があると思うんだよね」
アオ「奥?」
ハルマの能力に奥がある。
ラジャルの言う通り、奥があるとするなら、一体どんなものになるのか。
ハルマはまだそのヒントも掴めていない。
ラジャルの憶測が、現実になることを祈るばかりである。
To be continued
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