第9話

━━━━━ザブレス襲撃から数日後


ラジャル「ふぅ....一件落着....と言いたいけど、中々難しいねぇ....」

アオ「はい」

ラジャル「新人達に怪我は?」

アオ「軽傷で済んでます」

ラジャル「なら良かった。アオにもハルマ達にも迷惑掛けたね」


あの襲撃を起こしたテロ組織は壊滅し、この件は終わりを迎え、報告を処理する段階に来ていたのだが....ハルマ達の無事は安心したものの、難しい顔をしていた。


ラジャル「ん~~....やっぱり敵が現れ方が気になるね」


襲撃時、敵はなんの前触れもなく急に現れ、アオ達を囲んだ。


アオ「えぇ、どこかに隠れていたとしても隠れられる場所も無いし、訓練所の入口には足跡1つなかった」


ザブレス達の登場の仕方は不自然でしかなかった。


ラジャル「まぁ間違いなく協力者が居るよね。それも能力者」

アオ「ということは、その能力者に命令されて動いたんでしょうか」

ラジャル「いや、それは無いと思う。ダクラ達の行動原理は#能力者__ゴッドギフト__#に対する差別意識だからね。あくまで協力するだけ、指揮権はテロ組織側にあったと思う」

アオ「なるほど」

ラジャル「はぁ、問題が解決してもまた別の問題がそこから生まれてくる....めんどくさいもんだな....何はともあれ今後とも警戒は必要だから、ハルマ達にもそう言っておいて」

アオ「了解です」


アオは少し心配だった。

それはあの時ザブレスがアオ達に放った言葉。

お前たちは悪魔だという言葉。

その発言には持ち得るだけの憎悪を込めていたように見えた。

ハルマ達はそんなこと言われる筋合いは全く無い、だけど気にするなと言う方が無理だ。

そういう心配が拭いきれない。

でも、今は信じるしかないというのも理解していた。




━━━━━次の日

ハルマ達10人は全員揃って訓練に出てきた。


ラジャル「おはよう!みんな!」

一同「おはようございます!」

ラジャル「元気が良いねぇ、この調子で毎日行こう、訓練に入る前に君たちに言いたいことがある」


そう言ってラジャルは真剣な顔になった


ラジャル「本当に....怪我が無くて良かった.....君たちには本当に怖い思いをさせてしまったと思っている」

ハルマ「.....ラジャルさん、やめてください、アオさんも何も悪いことなんて無いです」

ケイタ「そうだぜ、むしろ俺たちは助けられた側なんだ」

ジョーカー「あぁ、むしろ私達はお礼を言わなきゃならねぇ」

アイズ「本当にありがとうございます」


10人は全員が頭を下げてきたのだ。


アンデ「あの襲撃を受けたあと、全員で誓ったんだ、強くなろうって」

アオ「あなた達.....」


アオとラジャルは見くびっていたようだ。

ハルマ達はこれで折れる事は無かった。

むしろ、全員で強くなる覚悟が見える顔をしていた。


ラジャル「......俺は君達を本当に誇りに思うよ、さぁ!頑張るよ!」


覚悟を決め、彼らは再び歩き始めようとしていた。




━━━━━とある組織の拠点。


オニメ「.....しくじったようじゃの」

「ようじゃのって....軽いなお前」

オニメ「まぁ予想通りじゃったからの...それはお主も一緒であろう、ビャクヤ」

ビャクヤ「まぁそうだけどよ....でも俺はまだ優しい方だぜ、あいつに関しては興味無さすぎて寝てるからな」

レイカ「はぁ、起きろコサラ」

コサラ「ん~?もう朝?」

ビャクヤ「もう夜だぞ....ったくよ」

コサラ「あらぁ....お腹すいたな、なにか無い?ルビア」

ルビア「....自分で作ればいい」

コサラ「えぇ.....ねぇ、クウラ」

クウラ「なんで僕に言うんだよ.....はい、これ饅頭」

コサラ「おぉ!ありがとう!」

ビャクヤ「にしても、こうも容易く潰されるとはなぁ....俺たちにでかい態度とってた割には大したことなかったな」

「仕方ないさ、おかしなプライドを持っていたヤツらだったからな」

オニメ「帰ってきてたのか、ガイア」

ガイア「まぁな....まぁなんでもいい、あいつらの考えは俺たちにとっても弊害になってたからな、変に敵対するよりかは潰された方がマシだ」

ビャクヤ「相変わらず冷たいな」

ガイア「優しくする義理もない、俺たちは俺たちで....進めていくぞ」


次から次へと、まだまだ問題は続く。

この世界で何が起きているのか、ザブレスが放った現実は、まだほんの一部でしかない。

それを身をもって....知ることになる。



To be continued

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る