第9話ケンカ

この頃の僕は荒れていた。

仕事はきっちりやるが、課長の言葉を無視したり。聞いていたら、僕ばかり仕事が増えるからだ。

ある日、自動車を輸出する際、書類の不備があった。

僕ともう一人が作成したのだが、神経質で有名なヤツが僕に向かって、僕がミスしたと言いがかりを付けてきた。

僕はソイツの首根っこを絞め上げ、事務所へ連れて行き、書類のメモが僕の筆跡では無い事を確認させた。

腕は捻り上げている。

この一連の事件を目の当たりした、同僚は僕が普段、温厚だからドン引きしていた。

それをきっかけに、同僚は僕にふざけたマネはしなくなった。


その頃僕は、不眠症になっていた。

寝酒は増える一方。

ある日、いつもは素通りしていた心療内科のクリニックに勇気を出して診察してもらった。

医師は、自律神経失調症だと言い、1ヶ月間会社を休む様に言われた。

僕は課長に電話して、その旨を伝えた。

会社も僕の異変に気付いていた。

ケンカはする、簡単な仕事はミスする。

薬をもらい、睡眠薬なるモノを飲むとウソみたいにぐっすり眠れた。

それは、僕の人生の羅針盤を狂わせるスタートであった。

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