第8話世代交代

今まで夜勤のコンテナ船の現場監督が若い者にバトンを渡す前に僕は下っ端として働いていたが、仕事内容を最も熟知しているのが僕だった為、1ヶ月間研修して、バトンを受け継いだ。

この船はコンテナ船だが、コンテナだけならコンテナ課の仕事だが、ランバー(木材)、OSB(合成板)、パルプを荷下ろしして、ホールドにボーイングの飛行機の羽を積み込み、また、機械を乗せ、蓋を閉めるとその上にコンテナを乗せた。

この船は夜中から朝まで若しくは昼間でかかり、兎に角、頭と身体をくしするので、仕事が終わるとへたりこむ。


夜中のうちに終われば、会社のタクシーチケット使い、それで帰宅していた。

夜中4時まで開店している、回らない寿司屋で飲む事が専ら。

だから、一年の旬の魚を覚えた。

なので4年間昼も夜も働き、不規則な生活になり不眠症に苦しむようになる。

寝ようとすると、作業音が耳から離れなくて眠れないのだ。

だが、毎朝錠剤の疲れ防止の薬をのんでやり過ごす様になる。

会社の連中は僕が夜勤明けでまだ、書類整理していると、おはようも労いの言葉もなく、

「羽弦君はいいなぁ~、もう帰れるのか~」

僕はよっぽど殴ろうかと思った。

もう、会社には仲間はいない!と、思った。

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