第2話退職金
介護職を辞めて、知り合いのつてを辿り、名古屋に向かった。バック1つと3万円を財布に入れて。
1ヶ月後には30万円の退職金が入る……はずだった。
知り合いの家に1ヶ月ほどお世話になり、ガードマンの給料で賃貸マンションに住むことになった。
30万円が中々入金されないので、前職の介護施設に問い合わせると、35万円振り込んだとのこと。
そう言えば、弟が事故して僕のソアラを廃車にして、ローンがまだ引かれてなかったので、数ヶ月分一気に引き落とされていたのだ。
まぁいい。バイトで名古屋の風土に慣れてから、貿易会社の入社試験を受けた。
電話が会社から来たのは、入社試験から2週間後の事であった。
期待していた30万円は吹っ飛んだし、神に祈った。
給料がいいからだ。そんな邪な考えを持っていた。
名古屋に住んで2年経った頃である。
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