狂った羅針盤
羽弦トリス
第1話介護職にて
大学を中退し、警備員のバイト1年程してから、介護職に就職した。
在宅介護の経験があり、仕事の覚えは早かったように思えた。
そこに1人、サーファーでヤンチャな先輩が僕の指導をした。
早出だったので、時間通りに帰ろうとすると、リーダーから先輩に仕事を覚えたいので何かすることは無いか?尋ねてから帰れと言われた。
今なら、絶対に定時に帰った度胸があるが、当時は21歳。
先輩に、
「先輩、僕に手伝える事はありませんか?」
と、言うと、
「お前に教えることは無い!帰れっ!」
と返事した。
僕は食い下がり、入浴介助を手伝った。
後日談だが、僕の仲間は僕が1ヶ月以内で辞めるかどうか賭けをしていたらしい。
それから、サーファーは僕に事あるごとに能書きを垂れた。
聞けば、介護福祉士の免許を持たずに、偏差値のかなり低い学校出身者であることが判明。
女性の300人切りを自慢していた。
こんなヤツが指導者とはこの施設のレベルが知れる。
2年間我慢して、辞めた。
仲間同士で良く飲んだが、サーファーだけは参加しなかった。
仲間とは見てなかったようだ。
給料も下がると聴いて、名古屋を目指した。
僕の人生の羅針盤が狂い始めた。
サーファーは未だに、そこで働いていると聞く。
だから、人間的バカが入社出来ない入社試験のある会社を探し始めたのである。
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