(一)-3

「いいえ、皆さんお仕事がありますし、まして今回の件、あまり人目に付かない方がいいですし。ですから、早朝を指定される方、多いですよ」

「そうなんですね」

 渚はジャケットのポケットに入れてあったICレコーダーを取り出して、男性に見せた。

「その前に、録音させて頂きますね」

「あ、録音は……」

 少し慌てた男性の視線が渚の顔に刺さった。

「もちろん情報源は決して漏らしません。この録音はあくまで私の備忘録になります。たとえ警察沙汰になったとしても、レコーダーは死守しますよ」


(続く)

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