(一)-2

 わナンバーのセダンの、運転席の屋根の上に片方のカップを置くと、ドアを開けた。そして屋根の上のカップを再び手に取り運転席に座った。

 そして「どうぞ」と左手のカップを助手席に座っている作業着姿の中年の男性に渡した。

 「ありがとうございます」と男はカップを受け取った。

 渚は右手のカップを左手に持ち替え、ギアレバーの手前にあるカップホルダーに置くとドアを閉めた。

「朝早くからありがとうございます」

 渚がそう言うと「いえ、こちらこそ、こんな時間を指定して申し訳ないです」と返事した。


(続く)

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