第2話 イケおじと遭遇

…あれからまる2日たった。


食料もなく水だけで生きてきたがもう限界。第2の人生もこれで終わりか、しょぼすぎるでしょ。と思ったら足音が聞こえてきた。とうとう幻聴まで聞こえてきたのか私。


足音は私の目の前でとまった。どうやら幻聴ではなかったみたい。



目を開けると……イケおじがいた。



「なんだこいつ、魔犬か?ちっさいな」



声めっちゃいいなこのイケおじ。好きだわぁ。



「きゃん、きゃん」

というかちっちゃいってなんだ!一応魔犬なんだぞ!火も吹けるんだぞー!私は



「…お腹空いてんのか?」

と、首を傾げたあとに一言。



「?!」

ご飯?!ご飯くれるの?

なんとしてでもご飯は貰いたい。必死に欲しいと伝えなくちゃ。っていうかもしかしてこれ言葉通じてない?


「これやるよ。」



肉の燻製をくれた。イケおじ、まじで神!

無心で肉片にかぶりつく。



「可愛いな、お前」



私を撫でながらつぶやく。気づけば私は抱き抱えられて連れていかれた。


どうやら私、イケおじ拾われちゃったようです。


☆ ☆ ☆


お腹もいっぱいになって眠くなってきた頃、イケおじの足が止まった。目の前には大きな家がある。

玄関を開けるとメイドがいた。え、メイドまでいるの、ここ?


「おかえりなさいませ…ってなんですかその子!」



「え?魔犬だけど?」



いや、魔犬じゃわからんでしょ。いや、魔犬だけども。



「可愛いだろ!こいつ」



「可愛いですけど…なんか持ってたらどうするんですか」



このメイド、乗り気じゃないな。このままだとまた野生生活に逆戻りになってしまう。それだけはまずい、絶対ダメ。よし、一か八かこれでどうだ!


「くぅーん…」



必殺、うる目わんこ!………これでどうだ。



「///?!……くっ、だ、ダメったらダメですぅぅぅ。」


もう一押しか?

「くぅーん…♡」



「/////!!!……まったく、次はないですよ!」


「よっしゃー!」


「わふ〜〜〜〜!!!」

イャッッホォォォオオォオウ!きたー!このメイドさん、可愛いものに弱くて良かった。犬ってやっぱ最高だな。うん。



定住場所…確保完了!

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