魔犬になっちゃいました?!
犬丸ちる
第1話 幸せ絶頂…のはずが、あれ?私魔犬になってない?
私はただの農民リーフデ、17歳。最近村でもイケメンなフィーゴ君との結婚も決まり幸せの絶頂。芋女の私がこんなイケメンと結婚できるなんて…!
「リフーデ〜?」
今声をかけてきたのは私の結婚相手、フィーゴ君。今日はそう、フィーゴくんとのお出かけ♡ピクニックです。
「うん、今行くね〜!」
「早くしてね〜、待ってるよ」
やっばい、最高。
早速ピクニックするマレ高原へ向かう。そこはお花が超綺麗なのだ。センスあるなフィーゴくんは。
道中、【魔物注意】という貼り紙を見つけた。魔物ってやつは特殊能力が使える動物のことらしい。水を出せたり放電できたり俗に言う"モンスター"ってやつだよね。まあ普通に生活していれば出会わないから関係ないけど…あれ?私フラグ立てた?
☆ ☆ ☆
マレ高原に着きました。今はピクニック満喫中です。
「おいひいね!」
にこりと笑うフィーゴくん。くぅぅ!イケメンを見ながらの食事は最高だぜぇ。と思ったらフィーゴくんの顔が引きつっている。
…私の顔、やばかったかな?
「どうしたの?」
「後ろ…」
後ろを振り向くと…ヤバいやつがいました。魔物そのもの 、まじで。私は【魔物注意】の貼り紙を思い出した。ここって魔物出るの?てかフラグ立っちゃったんだけど。
そうこう考えているとそいつは私を引っ掴んでしばらく見つめたと思ったら鼻を鳴らして遠くにぶん投げた。
「うっぎゃぁぁぁぁぁ!」
叫ぶ私、呆然としているフィーゴくん。私の人生ここで終わるの…?順風満帆な私の幸せライフは?
「やだ、やだよぉ」
情けない言葉を最後に私の意識は落ちていった。
☆ ☆ ☆
「んあぁ」
ぼやける視界がだんだん鮮明になっていく。だんだん意識が戻って来てカバっと起き上がった。
「ここ…どこ…?」
私は魔物に吹っ飛ばされたような…。とにかく場所を把握しなきゃ。とりあえず探索するべきだよね。起き上がってとぼとぼ歩き出した。
というか私の視線が低すぎるのは気のせいだろうか。
しばらく歩くと小さい池を発見。ちょうどいいじゃん!喉も乾いていたから近寄って池を覗き込んだ。
何故か水面には犬が映っている。ふさふさの黒い毛、赤い瞳。
「ぇぇえええ?!」
うそ、これ私?私犬になっちゃったの?
いや、どう考えてもこれは私だ。魔物に吹っ飛ばされて私犬になっちゃったの…?とにかく私の幸せライフが終了したのは確かだ。
「うぇぇぇぇぇん」
うそ、フィーゴくんは?私の幸せ結婚ラブラブライフはどこいっちゃったの?あまりのショックにその場に倒れ込んだ。
☆ ☆ ☆
何時間たっただろうか。あたりはすっかり暗くなって肌寒くなってきた。
「へっくしっ」
Bwawawawa〜
その瞬間炎が目の前を燃やす。あれ?私くしゃみしたはずなんですけど?犬ってこんな力持ってたっけ?
いや、間違いない。
どうやら私、死んで魔犬になっちゃった?!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます