第33話

「おーい、コハクとヘーゼルー整理とか色々終わったから帰るぞー。」


「ワンッ!」


「キュー!」


2匹は声に気付き遊ぶのをやめ走ってこちらに近づいてきた。


帰るっていったけどどうやってここから出るんだ?もしかして1回層目まで歩いて戻れというのか?・・・・それは流石にないか。どこかにワープみたいな物があるはず・・・・多分。


「壁触って何かあるか探すか。」


壁まで歩いてペタペタと辺りを触って何かないか・・・・と確認した。


「おっ、ここになんか突起ある。」


突起を押し込んでみると、部屋の真ん中に紫色の魔法陣が形成された。


「あの魔法陣に入れば外に出られるのかな?」


行かないと分からないもんな。


魔法陣がある部屋の中央まで歩いた。


「コハク、ヘーゼルやり残したことないよな?」


「ワンッ!」


「キュー!」


無いよー!とでも言うかのような元気な声が聞こえてきた。


そして、意を決して魔法陣に足を踏み入れた。


「うおっ!眩し!」


眩しい光が辺りを覆い、あまりの眩しさに目をつぶった。


少し間を開け目を開くと、そこはさっきまでいた空間ではなく、ダンジョンの前にワープされていた。


「戻って来れた・・・・!」


晴天の空の下太陽の光にあたり、外に帰ってきたと言う実感が湧いた。


「というかここまだ山の中だったな。」


とりあえず下山しするか。


下山したら山の麓でカード使って鍛冶屋を建てるか。・・・・そういえば一回使ったら取り消せないんだっけ?今使ったらそこの近くに永住しなきゃいけなくなるだろ?どうすっかな〜・・・・


そんなことを考えていたらとっくに下山していた。


「もう山の麓に着いたのか。」


考え事してたらすぐ着くな。


「ここ、意外とひらけてるよな?」


でもまぁ、工房が出来ても、近くに住んでいればいいだけだからな。・・・・良し!建てるか!


そして、最高級鍛冶屋カードを取り出した。


『最高級鍛冶屋カードを使用しますか?』


「はい」


『このカードは一回使うと消滅します。本当に使用しますか?』


「・・・・はい」


『最高級鍛冶屋カードを使用しました』


その声が聞こえた途端眩しい光があたりを覆った。


「またかよ!」


目を瞑って数秒待った。


「もう大丈夫か?」


目を開けると・・・・


そこには3階建ての家が建てられていた。


「工房だけじゃ無いのか・・・・まぁ、気にしてもあれだし、中に入るか。」


工房にコハクが入れるか心配だったが、ドアが意外と大きく結構すんなり入った。


「おぉ・・・・!」


1階は綺麗な工房が広がっていた。


「専門的な事は分からないけど・・・・こういうの見てるとワクワクするよな。」


そして、入口ドア付近にあった2階の階段を登り左側のドアを開けた。


「ここは・・・・なんか普通の家みたいだな。」


キッキンがあって・・・・トイレもある!そして、洗面所もある・・・普通のビルの一室と変わらないぞこれ。


そして、歩いていくとリビングがあった。


「テーブルもあるしソファ・・・ソファ!そんなのもあるのか。」


リビングに襖がついていた。


「まさか、和室まであるのか・・・・」


襖を開くとそこには7畳半ぐらいある和室があった。


「声が出ないなこれ・・・・」


中央にちゃぶ台があり、壁際には盆栽が飾ってあった。


まさか工房兼家だったとは・・・・


「3階に行くか。」


入ってきたドアまで戻り2階まで登ってきた階段の通路をそのまま進み3階に進んだ。










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