第31話

とりあえず最初は鑑定で敵の確認をするか。


『鑑定』


【黄龍】A

青龍、朱雀、玄武、白虎の長。春夏秋冬を表し、主に土を使う。


「土魔法・・・・みた事ないな。」


そんな事を考えていると黄龍の赤の宝玉が光った。


「何だ?」


どこからともなく火の球がこちらに向かって来た。


「まずい!避けろ!」


左に緊急回避をした。するとさっきまでいた場所に、火の球が直撃した。


ドガァン!


「土魔法だけじゃないのか?・・・・もしかしたら、4神全ての魔法を使うのか?」


悩んでいても仕方ない、幸い体はデカいから魔法は当てやすいだろう。


【火雷弾】


火の玉に雷が纏って黄龍に向かって飛んでいった。


ダァン!


黄龍:2000/2100


「100しか減らないのか・・・・」


これは長期戦になるな。


「キュー!」


後ろからヘーゼルが火の槍を3本黄龍目掛けて飛ばした。


黄龍の青の宝玉が放たれた直後に光った


ドガ!ドガ!ドガ!


火の槍が突如現れた雷によって砕け散った。


「まじか・・・・あれを破壊するのか。」


そんな事考えている場合ではないな。一つでも多く当てなきゃな・・・・新しい魔法を使わないといけないか。


【樹槍】


直径5mの樹でできた槍を黄龍目掛けて投げた。


しかし黄龍の赤の宝玉が光り火の玉が射出され激突した。


ドガア!


樹槍が黄龍の火の球に相殺された。


「だがな・・・・」


こっちは囮だ


黄龍の真下にはコハクがいた。


「ワオーン!」


ドガァァァン!


雷が黄龍の全身を焼き尽くした。


「流石にこれで少しは削れただろ・・・・」


黄龍:1800/2100


「あれで200・・・・」


流石Aランク・・・・一筋縄ではいかないか。


「ワンッ!」


コハクが戻って来た。


これは固まって行動するのは不味いな。最悪魔法で全滅もあり得る。


「コハク!ヘーゼル!ここから個別で行動するぞ!」


「ワンッ!」


「キュー!」


行動を始めた途端、黄龍の黒の宝玉が光った。


10mを超える水の球がコハク目掛けて放たれた。


「まずい!」


【絶無】


シュゥゥゥ!


水の球が空間ごと消去された。


何かアイツに大ダメージを与える手立てはないか・・・・?


「そういえば万?属性だったか、使った事一回しかないな。」


切羽詰まった状況だし、使えるものは使わなきゃな・・・・


【万物流転】


自分の後ろに今持っている全ての属性の球が円形に並んだ。


そして、魔法の球が混ざり合いながら黄龍に向かっていった。


黄龍は危険を感じたのか全ての宝玉を光らせた。


赤の宝玉から火の球が、黒の宝玉から水の球が、白の宝玉から鋭い刃が、青の宝玉から雷の球がそれぞれが俺が放った魔法に激突した。


シュゥゥン


放った球が黄龍の宝玉から出る魔法を全て飲み込んだ。


そして、放った魔法は黄龍に当たった。


ドガァァァァン!!!


黄龍:1000/2100


「良し!結構減った!」


それに続くようにコハクとヘーゼルが魔法を放った。


ヘーゼルが火の槍をコハクが風の刃を放った。


黄龍の目が光った。


ドゴォン!


土の壁が突如出現した。その土の壁によってコハクとヘーゼルの魔法が阻まれてしまった。


「やっと土の壁を出したか。」


土の壁はコハクとヘーゼルの魔法で砕けてしまった。


土の壁の耐久は低いようだな。これは・・・・もっと貫通力を上げて壁を突き破って攻撃するしかないか?


【樹槍】


さっきより大きく、そして鋭くなった槍に風魔法を纏わせた。


「行け」


放たれた槍は高速で黄龍に飛んでいった。


黄龍の目が光り、土の壁が形成された。


ガァン!


樹槍は土の壁を破り黄龍に激突した。


ズガァン!


黄龍:800/2100


黄龍が樹槍を受け、少し怯んだ。その隙にコハクとヘーゼルが魔法を放った。


ドガアン!! ダァン!!


黄龍にヘーゼルの火の槍とコハクの雷が当たった。


黄龍:500/2100


「あと少しだ!気を抜くなよ!」


「ワンッ!」


「キュー!」


黄龍を倒す希望が見えて来た所で黄龍の咆哮がこの空間に響いた。


グオオオオオオォォォ!!!


黄龍が持っていた宝玉が全て砕け、代わりに黄龍にそれぞれの宝玉の線が入った。


「なんだ?」


青い線が光り雷が放たれた。


ダダダダダダダダタ!!!


全方向無差別に雷が落とされ、その場所が爆発した。


「最後の抵抗か・・・・厄介だな。」


どうしようか・・・・短期決戦なのは当然として手段はどうすればいいだろうか?


考えろ・・・考えろ俺!


どう倒そうか構想していると、黄龍の赤の線が光り、火の球が放たれた空中で爆発した。


バァァン! シュワ〜


辺りに煙が充満した。


「まずい!酸素がなくなる!」


急いで酸素の葉を取り出した。


「ん?酸素の葉・・・・酸素・・・・スカイスライム・・・・」


その時頭の中にスカイスライムに放った魔法を思い出した。


「あの魔法なら、一気に倒せるかもしれない。」


幸い煙で隠れているし準備はできる!


手から火の球を出し、それを水の球で包み、雷を纏わせ、風と樹でコーティングして光と闇でそれを包み、無属性の白い球と万属性の青白く光る球を合わせた。


「完成だ」


丁度煙が晴れて来た。完全に煙がなくなった瞬間手から魔法が放たれた。


【極・魔弾】


樹槍を超える速さで黄龍に向かっていった。


黄龍は全身を光らせ口からビームのようなブレスのような物を放った。


2つは激突し辺りには衝撃音だけ響いた。


「行け!貫け!」


その声に呼応するかのように魔法はデカくなっていった。


そして、黄龍のビームを貫き、激突した。


ドガァァァン!!!!


黄龍:0/2100


グオオオオ・・・・オォォ・・・・


黄龍は断末魔をあげながら倒れていった。


【黄龍を倒しました】

【経験値を1000獲得しました】

【黄龍の鱗15枚、金の宝玉、黄龍の心臓を獲得しました】

【おめでとうございます!レベルが4上がりました】

【称号【黄龍を倒し者】、【春夏秋冬を統べる者】を獲得しました】


なんか色々獲得したな。


「とりあえず・・・・勝ったぞ!!」


「ワンッ!」


「キュー!」


コハクとヘーゼルと共に戦いに勝った余韻を感じながら休憩した。



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