第25話

「やっと最後だ。」


これで三階層も終わりだ。


「最後まで気を抜かないように頑張らないとな。」


部屋の明かりが一気に灯った。


「予想はしてたけどこれはデカくない?」


そこには、大きな亀とその亀に巻きついている蛇がいた。


「とりあえず鑑定するか。」


『鑑定』


【玄武】B+

北方を守護する、水の神獣。神獣の中で最も硬く、四神の中でも一番強いと言われている。


「最後に残す敵じゃなかったなぁ。」


ここから攻略していけば楽に終わったのかな?


「考えても仕方ないし、とりあえず攻撃するか。」


そう言い魔法を放った。


【雷弾】


ダンッ


玄武1400/1500


「全く削れんやんけ!」


相手は水属性だったよな。てことは弱点は雷魔法だよな。その魔法でこの威力か。


「さっき休んで回復して来たのは正解だったな。」


そして玄武が攻撃を仕掛けて来た。


ウォォォ


そう鳴き声をあげて大量の水の塊を飛ばして来た。


ダンッ ダンツ ダンッ ダンッ ダンッ


「他の三体より攻撃の密度がやばい!」


とにかくがむしゃらに走り、亀の裏側まで走った。


「ん?」


ふと亀を見ると、ゆっくりと周りながら水の塊を放っていた。


「なるほど。攻撃の密度とかはすごいが、動きが遅いのか。」


というか、あの水の塊が当たった壁が穴開いているんだけど。銃弾かよ。


「そんなことはどうでもいい。これなら耐久力がやばくてもなんとかいけるな。」


そして、魔法を放った。


【雷弾】


ダンッ


玄武:1300/1500


やっぱりあんま効かないな。弾丸みたいな形だからか?貫通力はあるが、こいつは硬いからあまり貫通は意味がない。


だったら、刃のようにするのが良いかな?


とりあえずやってみるか。


玄武に向かって再び魔法を放った。


【雷刃】


ザァン


玄武:1100/1500


おっし!さっきより攻撃通っているな。この調子でいけば早く終わるはずだ。


そう考えた時、いつのまにか後ろにいたコハク達も、魔法を放った。


「ワンッ!」


コハクが吠え雷を落とした。


ダァンッ!


玄武:900/1500


「キュー!」


ヘーゼルは火の玉を槍状にし、玄武に向かって投げた。


ダンッ!


玄武:700/1500


「ヘーゼルそんなこともできんの?」


今度やってみよ。


「良し、あと半分。」


この調子でいけば簡単だな。


そう思った直後、玄武に巻き付いていた蛇が鳴いた。


シャアアアア


「何だ?」


注意深く見てると蛇の顔が上を向いていた。


そこには直径3mもの大きさの水の塊が浮いていた。


「まじかよ。」


くらったら流石にお陀仏だろ。あの水の塊が大きくなったんだよな。


どうする。何か良い方法はないか!考えろ!今まで使った魔法からこの技を対処できる方法を!


「あそこの空間を削り取ればいけるか。」


ふとその言葉が出て来た。


使える魔法の中に無魔法があったはずだ。あれは木を消滅させていたはずだ。


「あれはあんまり使いたくないんだけどな。」


しょうがない、使うか。


大きな水の塊に向かって魔法を唱えた。


【絶無】


シュウウウ


その瞬間空中にあった水が全て虚空に消えた。


シャアアアア!?!?


蛇は驚き、呆然としている。


「今がチャンスだ!行くぞ!」


【雷刃】


ザァン


玄武:500/1500


そしてコハクとヘーゼルが前に出た。


「ワン」


「キュー?」


「何を話し合っているんだ?」


動物の言葉は分からないから何言っているのかは、知らないけどな。


「ワンッ!」


「キュー!」


おっ!話終わったみたいだ。


そして二匹は魔法を放った。


「ワンッ!」


コハクが吠え雷の塊を複数作った。



「キュー!」


そこにヘーゼルの火の玉が雷と合わさった。


雷の玉が赤色に変わったり、黄色に変わったりしている。


その玉を玄武に向けて放った。


「ワンッ!」


「キュー!」


ドガァン! ドガァン! ドガァン!


玄武:0/1500


その攻撃を喰らった玄武は消えていった。


【玄武を倒しました】

【経験値を500獲得しました】

【玄武の鱗と黒の宝玉を獲得しました】


「よっしゃー!終わった!」


「ワン!」


「キュー!」


やっと四階層に行ける。


「あっ、鑑定しないと。」


『鑑定』


【玄武の鱗】

玄武の甲羅の鱗。強度がものすごく高く、曲げたり折ったりすることが非常に困難。この代わり盾として使うことができる。


【黒の宝玉】

玄武が持っていた宝玉。何に使うか分かってない。


「甲羅はまだ使わないな。宝玉共々持ち物に入れるか。」


二つを持ち物入れた。


「さて、四階層に行くか。」


「ワン!」


「キュー!」


そう言って扉の前まで行き、扉を開けた。


ギィィ バタン


「あれ?階段はどこにあるんだ?」


どこにも階段はないぞ?


すると辺りに大きな音が聞こえた。


ゴゴゴゴ・・・・


少ししてその音が止むと、中央に階段が現れた。


「そんな風に現れるんだ。」


思っていたことが声に出てしまった。


「あっ、まぁいいや。それじゃ改めて、四階層に行くか。」


「ワン!」


「キュー!」


そう二匹から力強い鳴き声が聞こえていた。


その鳴き声を聞きながら、四階層に行くための階段をゆっくり降りていった。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る