第13話

タッ タッ タッ


「で、お前は十レベルなんだろ?」


「おん。そうだな。」


「十レベルって言ったらどのランクのモンスターまで倒せるんだ?」


Dランクぐらいだと思うけどな。


「まぁ、Dランクぐらいだな。厳密にいえばD +ぐらいだな。」


「そんなランクあったっけ?」


「おう。Dランクよりは強いけどCランクよりは弱いのがD+だ。」


「+にある基準ってなんかあるの?」


「あるで。例えば個体の中で普通は持ってない魔法を持っていたり、変異種なんかは+になる。」


「ふーん。ってことはSランクにも+はあるんか?」


「いや、無い。Sランクは最強っていう証だからそれ以上っていうのは無い。」


「そうなんか。」


じゃあ、俺の相棒のコハクはB+〜Sのどれかだろうな。


「おっ、やっと着いたな。」


「案外遠かったな。」


「まぁ、なんやかんや20分くらい歩いたしな。」


そんな歩いたんか。というか、こいつの家からファミレスまで、20分もかかるんか。


「何で、こんな遠いんだ?」


「そりゃあ、周りにファミレスがないからよ。」


「まじかよ。」


「まじだよ。とりあえず中入ろうぜ。」


カランカラーン


<いらっしゃいませー。


「久しぶりに入ったなファミレス。」


「中々1人で行く場所じゃないしな。それじゃあ、俺受付行ってくる。」


「いってらー。」


そういえば、あいつの職業知らんな。どうせ剣士とかだろけどな。


「受付終わったから行くぞ。」


「あいあい。」


<こちらのお席になります。


<ご注文が決まりましたら、そちらのベルからお申し付けください。

 

「はい。分かりましたー。」



「お前何頼むん?」


「俺か?俺は、カレーにでもするか。そういうお前は?」


「俺は、奢られる身だし、ポテトと、シーフードドリアにしよう。」


「分かった。それじゃ、ベル押すぞー。」


ピンポーン


<ご注文は決まりましたか?


「はい。カレーを一つとポテト一つ。あと、シーフードドリアをひとつ以上で。」


<繰り返します。カレーをお一つ。ポテトをお一つ。シーフードドリアをお一つ以上でよろしかったですか?


「はい。それで大丈夫です。」


<それでは、料理が来るまで少し、お待ちください。


「はい。分かりましたー。」


<それでは失礼します。



「ふぅー。一息ついたな。」


「注文でそんな疲れるか?」


「以外とそれが疲れんだよ。」


「そういうもんか。」


「そういうもんだ。」


そういえば気になっていたことを聞いてみよう。


「お前、world onlineでの職業なんなの?」


「あれ?言ってなかったか?」


「聞いてない。」


「えっとな、魔法使いだ。」


「へぇー。以外だな。お前のことだから、剣士とかだと思ってたんだけどな。」


「たまには、違う事したくなるじゃん。」


「まぁ、たまにはあるな。」


絶対に、こいつ剣士の癖が抜けなくて、近距離で魔法打つだろ。


「おっ、注文の品来たぞ。」


<カレーのお客様は・・・


「あっ、はい。」


<ありがとうございます。


<そして、ポテトとシーフードドリアのお客様は・・・


「はい。」


<ありがとうございます。


<以上でよろしかったですか?


「はい、大丈夫です。」


<それではごゆっくりどうぞ。



「それじゃあ、食べるか。」


「「いただきます。」」



「そういえば、お前、テイムができないみたいな話をしたじゃん。」


「したな。」


「木に隠れたりしてさ、ずっと『テイム』って言っていれば良いんじゃないの?」


「そういうわけにもいかんのよな。敵対してる状態ってのがまず基本。次にHPを半分以下にする事。その状態でタイムをしても確率は十%ぐらいなんよ。」


色々テイムするのも難しいんだなー。


「だったら、world onlineのフレンドに手伝ってもらうってのもできるが。」


「それがさ。フレンドは二十人ぐらいいるんだけどよ。奇跡なことに全員用事があるらしく、夏休み中はほとんどログインできないんだってよ。」


「それはどんまい。」


「だからさ、お前に頼ってるんだよー。」


「俺もな自分で精一杯だしな。」


「はぁー。どうにかして、テイムできるようにしたいなぁ。」


じゃあ、もうやる事は一つしかないじゃん。


「だったらよ。普通にレベル上げるしかないじゃん。」


「もう、その方法しかないんかなー。・・・そういえば、お前レベル二十なんだろ。だったらCランクだったら戦ったことあるんじゃない?」


「あるで。」


「まじで!」


「おん。ラッシュボアとなら戦ったことある。」


「どんな感じやった?」


「あいつは基本突進しかしてこないから、突進の対策をしたら簡単になる。」


「そうなんか。有益な情報ありがとな。」


「これぐらいだったら大丈夫や。」


「いやー、本当に助かったぜ。これでやっとクエストクリアの糸口が見えたぞ。」


「おう。よかったな。それより早く食べろよ。」


「あれ?お前食うの早くね?」


「お前が遅いだけや。」


「ちょっと待っててくれや。」


「待ってやるから、ゆっくり食べろ。」


「ありがとな。」


今更やけど、ラッシュボアはCランクだったんやな。にしては、強くなかったけどな。


「「ごちそうさまでした。」」


「いやー食った食った。それじゃあ、会計行ってくる。」


「いってらー。」


そういえば、これからメンテか。何追加されんだろうな。


「会計終わったから帰るぞ。」


「おう。」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る