第12話

AM7:00


「ふぁーっ。よく寝た。」


えーっと今の時刻は七時か。


「今日の予定は何かあったかな。」


いつも通りにゲームするしかないな。


ブー、ブー、ブー、


「あん?電話か。」


あいつからか。


「もしもし?」


『おう、起きたか。』


「今起きたところ。」


『そうか。そういえば、今日お前なんか予定ある?』


「いつも通りゲームするだけだが?」


『あー、それって、world onlineか?』


「そうだけど?」


なんか特別なことあったっけ?


『それ、今日の昼からメンテあるで。』


「えっ、まじ?」


『まじまじ。』


「まじか。何もやることなくなったんだが。」


『だったらさ、俺の予定について来てくれよ。』


「えー。めんどい。」


『そこをどうかたのむ!昼飯奢るから!』


まぁ、こいつには色々助けてもらってるし、昼飯も奢ってくれるなら行ってもいいか。


「しょうがないな。付き合ってやるよ。」


『まじか、ありがとう。』


「ちゃんと飯奢れよ。それで、何すんの?」


『それは来てからのお楽しみだぜ。』


「分かったよ。」


『おう、それじゃ9時に大学の前に集合な。』


「分かった。それじゃまた後で。」


『またなー。」


ピッ


「なにすんのかなー?」


あいつのことだし、料理か?それとも服選びか?


「料理はいいとしても服選びは俺はできないんだけどなー。」


とりあえず朝飯はパパッと済ませるか。


「やっぱり手軽に済ませるならTKGだよな。」


用意するか。


お椀にお椀に米を入れて、そこに卵をinして海苔をちぎってかけて、醤油をかけたら完成!



「いただきます。」


やっぱり安定の美味しさがあるよなTKGは。




「ご馳走様でした。」


「洗い物して、出かける準備でもするか。」



「いやー、洗い物少なくて楽だー。っと、もう終わった。」


洗い物終わったし準備するか。


「えーっと、必要なものは、携帯と財布、あとは絆創膏と水筒とリュックだな。」


今の時間は何時だ?


AM8:10


「そろそろ行くか。」


イッテキマース


「こっから大学まで徒歩30分ぐらいだし、久しぶりに歩くか。」


タッ タッ タッ


久しぶりにこの道歩くなー。天気良いし、今日は気分が良いなぁ。


タッ タッ タッ


「っと。着いたか。今の時間は。」


AM8:50


「十分前だし少し待ってれば来るだろあいつ。」



「おーい!」


そんなこと言っていたらあいつ来たな。


「よっ!久しぶりだな悠一。」


「お前もな裕翔。」


「最後に会ったのはいつだっけ?」


「・・・三日前ぐらいじゃない。」


「そんなもんか。」


「ところで、どこに行くんだ?」


こいつのことだし、オシャレなカフェとかだろ。


「ちょっとゲームで躓いてな。お前に教えて欲しいんだよ。」


こいつがゲーム躓くってあんまないぞ。というか何のゲームだよ。


「どんなゲームだよ。内容によっては教えらんねぇぞ。」


「それは大丈夫。world onlineだから。」


「躓く要素あったか?」


あのゲーム自由が売りだから躓かないと思うけどな。


「何で詰まってんの?」


「それについては、ここで話すのも目立つから俺の家に行こうぜ。」


「分かった。ちゃんと昼飯奢れよ。」


「分かってるって。ちゃんと奢るから。」


タッ タッ タッ


しかし、何でこいつ躓いてんだ?クエストか?俺、クエストがあの無人島にあるのかも知らんけどな。


タッ タッ タッ


「着いたで。」


「以外と早く着いたな。」


「そりゃそうだろ。大学から徒歩10分ぐらいなんだから。」


「へぇー良いなー。」


「まぁ、そんなことより早く入れよ。」


「分かった。」


「以外と綺麗にしてんだな。」


「当たり前だろ。」


「でもお前、大学のロッカーの中汚いやん。」


「そんな話は置いといて。」


逃げたな。こいつ。


「で、なんか詰まってるんだっけ?」


「そうそう、ちょっとクエストでな。」


「クエストだったら俺は分からんぞ。」


「え゛」


「クエストも見たことない。」


「え゛」


「それでクエストってどういう物なの?」


「えっとな、クエストっていうのは、依頼者の悩みを聞いて解決したら金だったり物だったりが貰えるもんだよ。」


「へぇー。」


「へぇーってなお前。これworld onlineの常識やぞ。」


「それで?どんなクエストなん?」


「それがな。『テイムした魔物を見せる』

って言うクエストなんだが。」


「どこら辺が難しいの?」


「まず、テイムの仕方が分からないっていうのがあるけど、もう一つが問題なんだよ。」


「どんな問題なん?」


「テイムできるモンスターってのが高ランクモンスターだけっていうふうに決められてるんよ。」


「 ランクなんてあったの?」


「おう。あるで、解説してやろうか。」


「教えてくれ。」


「じゃあまず一番下のFランクってのが、スライムとかゴブリンとかだな。」


「次はEランクだな。例えばオークとかコボルトとかだな。」


「次はDランクだな。例えばナイトゴブリンとかウルフとかだな。」


「次はCランクだな。例えばラッシュボアとかフォルトレスゴーレムとかだな。」


「次はBランクだな。例えばマンティコアとかブラウンベアーとかだな。」


「次はAランクだな。例えばドラゴン全般だな。」


「最後にSランクだな。例えばって言ってもほとんどわからないんだよな。」


「分からない?」


「そう、分からない。唯一わかってるのが壁画の三王ってことだけだな。」


三王?聞いたことないな。壁画って言っていたけどあの壁画か。


「なるほど。で、テイムできるモンスターってのがどこら辺なんだ?」


「最低でもCランクだな。」


そこまででもないんだな。でも強さが分からないし。


「じゃあ、Cランクってのはどんぐらい強いの?」


「トッププレイヤーが5人がかりで10分ぐらいかかる。」


まじ?だったら強い扱いやんあの猪。


「レイドボスみたいな扱いだな。」


「そうなんよ。そういえばお前って、レベル幾つだっけ?」


「レベルか?・・・確か20ぐらいだった気がするな。」


「20!トッププレイヤーやん。」


「えっ、そうなん?」


「そうだよ。俺なんて10レベルだからな。」


「ふーん。まぁ、ずっとゲームしてるからな。ところで今何時?」


AM11:50


「おっ、そろそろ昼飯だな。」


「よし、どこ行くんだ?」


まぁ、どうせファミレスだろうな。


「そりゃあファミレスだろ。」


「やっぱりファミレスだったな。」


「何だよ。なんか文句あるか?」


「奢ってもらう身だし。文句はないよ。」


「だよな。それじゃ行くぞ。」


「おう。」




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