双子の兄弟のうち、完璧と称される兄視点の掌編です。
兄弟というものは何かと比較されるものですが、双子ともなればさらに顕著なものとなります。
その気質、性質が異なれば、周囲から向けられる評価は強く二極化してゆきます。
しかし、この物語における視点の兄は、とても静かです。
静かに弟の美点を認め、しかし妬心とは距離を置いた「そうであれたら」という感慨をこぼすのです。
この清らかな筆致は、ぜひレビューよりも本文でお楽しみいただきたいと思います。
良き作品を拝読させていただきました。
ありがとうございます。