第三話
戦い始めてしばらくしてようやく相手の動きが見えてきた。
どうやらあのヒュージは近接戦が苦手のようだ。
これならなんとかいけるかもしれないとそう思った時、突如としてヒュージの姿が消え次の瞬間には私の背中から血が出ていた。
何が起こったのか分からないまま倒れていく私を見ながらみんなが大慌てしている声が聞こえてくる。
「せ、千香さん大丈夫ですか!???」
「しっかりしてください!! 返事をして下さい先輩!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そんな中、誰かが私の近くに寄ってくる。
「全く無茶するんだから.....でもありがとう。後は任せなさい!!」
その声とともに傷がどんどん治っていく。
「リリィなら当然の事よ!!」
「ありがとうございます......それとすみませんでした....私がもっと強ければ......」
そう言って彼女はcharmを持って走り出す。
その背中を見送った後、私は意識を手放した
目を開けるとそこは病室だった。 どうやら倒れたあと運ばれたようだ。
周りを見てみると私の隣に椅子に座って本を読んでいる人がいた。
彼女は私が起きたことに気づいたらしく読んでいた本を閉じると言った。
「お目覚めかしら?」
「......貴女は確かアルトラ級ヒュージと戦っている最中に現れた」
そう言った瞬間、椅子の上に座っていた彼女が急に立ち上がってこちらの肩を掴むと言った。
「ねぇアナタ、今自分が何を言ってるか分かっているのかしら?」
その言葉に少し驚くもののすぐに冷静になって答える。
「分かってます、その上で言っています。なのでもう少しだけ待っていてください!」
その言葉を聞いた彼女は呆れたような表情をしてこう言ってくる。 「はぁ....分かったわよ、とりあえず今日はここで帰ってあげるわ。次来るときはもう少し強くなってきなさいよ」
「分かりました....それじゃあまた後で会いましょうね琴音 沙耶(ことね さや)」
そう言うと彼女は窓から出て行きそのまま去っていく。
一人になった部屋で横になっている間、頭の中で考え事をしてしばらくすると夢結達がお見舞いに来たのだが、その時の記憶がない事に気づいた。
それから数日たって私は退院出来たので学院に行く準備をする。
そして着替え終わった時に一つの本を持っていることに気づく。
「これ、忘れて行っちゃってたから返しに行かなきゃ」
そう思い私は部屋を出た
百合ケ丘に着いた私は受付に行き彼女に本を渡した。
すると彼女は笑いながら言った。
「そう、それなら良かったわ」
そう言ってくれる彼女を横に学院長室へと向かう。
そして中に入ると百由さんが居た。
そこで私は夢結と共にとあることを頼まれることになるのであった
アルテミスの弓姫~valkyrie arcadia~ パソコン @meganepapadoragondesu
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