第5話「面白い……かも?」ベルティーナ視点
護衛に縛られ貴族用の牢屋に連れて行かれた。
部屋に入れられるとき縄は解いてもらえた。
このままだと……婚約破棄からの処刑、もしくは投獄コースか。
あと二、三発王太子の顔を殴っておけばよかったな。
そんなことを考えていたら、水を持ってきたメイドが王太子が私との婚約を継続させたいと両陛下にお願いしたと聞かされた。
何考えてんだ、あの王太子??
しばらくして王太子が護衛を連れてやってきた。
王太子は瞳をキラキラさせ、私に惚れただの何だの言っている。
王太子は私に殴られたときに頭のネジが何本か外れたらしい。
殴られて愛に目覚めるとか変態かよ。
舌打ちをしゴミを見る目で王太子を睨むと、王太子が頬を赤らめ鼻息を荒くした。
しまった! 逆効果だった!!
王太子がドMだったとはね。
一度目の人生は恋する乙女モード全開で、王太子の言動に一喜一憂していた。
二回目の人生は、一度目の人生で王太子に殺されたトラウマで王太子と顔を合わせる度にびくびくしていた。
三回目の人生は領地にこもって修行をし十五歳で家を出たから、ほとんど王太子に会っていない。
……なるほど一度目と二度目の人生の私はドSの要素にかけていた。三度目の人生は王太子に会う回数が少なかった。
だから王太子に惚れられなかったのね。
冤罪をかけられて殺されるぐらいなら王太子を一発殴って死んでやろうと思っていたのに、まさか王太子に惚れられるとは、人生は何が起きるかわからないわね。
過去生での憂さ晴らしに、王太子と二人きりの時に王太子を犬のように扱ってやるのもいいかもしれない。
王太子が私の言いなりになるように調教して、過去生で私に冤罪をかけた奴らに復讐してやるのも面白いかもね。
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