第3話 何言ってるかよくわからないです

3分後…


 女性はやっと硬直が溶けたかのように動き出した。


 「す、すいませんあまりの驚きに」


 「いえ大丈夫ですけどなんでそんな驚いたんですか?自立型仮想体?」


 「あ、えーとそれはなんでもないです!そう、忘れてください。とりあえずすこし経緯を聞きましょうか」


 「経緯…ですか?」


 「はいあなたはなんでここにいるんですか?」


 海斗は女性にその質問をそっくりそのまま聞き返したい衝動を抑えとりあえず帰り道の時からのことを話した。



 「あーなるほど…もしかするとバグが発生した直後に落ちたか、いやでも表面上の部分には絶対にバグが起きたとしても干渉されないはずだから…」


 何かぶつぶつ言い出したがよく聞こえないためとりあえず質問してみることにした。


 「あのー」


 「…ならあの部分が…。はい?なんですか?」


 「あなたこそなんでここにいるんですか?もしかしてここって出入り口みたいなところとかあるんですか?」


 「出入り口…世界の出入り口なら…いえ、なんでもないです。地上への出口はありませんよ」


 「そんな…ならあなたはどこからここまできたんですか?」


 「それは秘密です。ですがあなたを地上に帰すことはできますよ」


 秘密ということが気にかかったがそんなことよりも地上に戻りたい海斗は


 「え?本当ですか?お願いします!」


 「わかりました。すこし待ってくださいね」

 

 そう言って女性は機械をいじり出した。


 そして5分後…


 「あとはこれで…ポチッと!「あぁぁぁぁぁあ」え?あっ、、、」


 女性が何やら最後の操作をした瞬間海斗が真上に吹き飛ばされて地上の地面を越え空高くへ上がった。そして重力により落ちてくる。



 「いやぁぁぁぁぁぁぁあ」


 あ、これ死んだ


 そして地面にぶつかる瞬間…


 「っと、セーフですね。すいません」


 先ほどの女性がキャッチしていた。


 え?え?腕力つよっ、っていうかなんでさっき吹っ飛んだの?


「えーと、ありがとうございます」


「バグを直したら本来そこに存在しないはずの存在なので排出されるとこを忘れてました…」


「えーとよくわからないです」


なんかよくわからないことを言い出したな人…


「まあとりあえずここでのことは忘れてもらいますね」


「え?それは…」


 そこで海斗の記憶は途切れた。いや落ちる前の記憶から消えた。

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