第2話 謎の人との邂逅 すこしは話を聞いてください…


 あれからどれくらい時間がすぎたのかよくわからない。数分?それとも数時間?あれから何もしないと助けは来ないと思い携帯で連絡を取ろうとしたりしたが携帯はなぜか使いなかった。叫んだりもしてみたけれども特に何も反応はない。

 

 「あーどうしよう。なんか動かないと落ち着かないな…少し歩いてみるか」


 移動したらもしかしたら何かあるのかもしれないと考えた海斗はとりあえず必要最低限の荷物だけ持ち歩くことにした。5メートルくらい歩いた時


 「いたっ」


 急に顔に衝撃を感じた。前に見えない壁があってそこに顔からぶつかったようかのように


 「いたたたた。なんだよこれ」


 鼻をさすりつつ違う方向へ歩いた時


 「いたっ」


 こっちにも壁のようなものがあった。


 「てか自分で言うのもあれだけど警戒しろや!はぁ、誰にツッコミ入れてるんだろ。はぁ」


 気力も無くなってきた海斗はとりあえず元の場所に座り込んだ。



ーーーー???視点ーーーーー


 「なんなんですかあの上司。何がバグが発生したから見てこいって。そんなものいつも通り機械にやらせとけばいいんですよ。そんなこと部下にやらせる暇があるなら私たちに休みをください休みを。ハァ、私は誰に言ってるんでしょう?」


 一人の女性が歩きながら上司を愚痴っていた。そして手に持った機械を操作してたまに方角を確認する。



 「あー。あそこですかやっと着きましたよ。ていうかゲートから遠すぎです、もっと近くにしてください」


 目的地に近づいてきたのか別の機械を取り出した。


 「とりあえずこれを使えばすぐ直りますよね。って、あれ?なんかあそこ人がいるような…いや、ここは私たちの管轄ですし誰かいるはずはないんですが…」


 そう思いつつも上に連絡できるようにしてから近づくことにした



ーーーー海斗視点ーーーーーー


 「あーあ、眠くなってきたな…まあ、明日の自分がなんとかしてくれるか」


 その場に寝転がった海斗はバックを枕にし目を閉じた時…


 

 「そこの人、管理者IDを出しなさい!出せない場合はザイヴコア又は我々のネットワークへの不法侵入とみなしか仮想世界構築局の本部に突き出します!」


 「え?え?何?誰?」


 急な声に驚いて跳ね上がった海斗はあたりを見渡すと一人の女性を見つけた。


 「もう一度言います。管理者IDを出しなさい」


 その女性はこちらをじっと見つめ、その手にはスマホのような機械が握られていた。


 「え?あの管理者IDってなんですか?ザイヴコア?仮想世界構築局?」


 「とぼけるつもりですか?目的を言いなさい。ここにいる時点であなたは侵入者が違う部署のものか限られるんですよ」


 全く聞く耳を持たない女性はスマホを突き出して威圧してくる。


 「だから知らないですって。そもそも歩いてたら床を通り抜けて落ちてしまったんですよ。ほらあの上のとこ」


 「床が?何を言ってるん…まさか!」


 女性は違う機械を取り出すとそれを俺に向けてきた。


 「な、なんでここに自立型仮想体が…」


 画面を見た直後女性は固まった。

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