第3話 M4A1カービン

“女神の力”で俺の身体は全盛期の頃の若い肉体に戻った、20才くらいだろうか。

右目や右足、指なんかの欠損も修復済みだ。


『田中さん、時間が無いから貴方の初期装備は私が用意したわ!』(* ̄∇ ̄)ノ


デザート迷彩の戦闘服B D U(バトルドレスユニフォーム)の上下を身に纏い、頭には同色のカバーを被せたケブラー製のヘルメットに防塵ゴーグル、足元はデザートブーツで固め、タクティカルベストに肘や膝のプロテクターと、サバイバルゲームに熱中している女子大生みたいな格好の“女神ミリー”がそう宣った。


「なんだその格好は?」

思わずジト目で“女神”を見る。


『私は”戦争の女神“だから』(゜∇^d)!!

いや、戦の神って白い鎧を着て剣持って盾持ってって感じの…


『私は地球の進んだを学んでいるのよ、今さら剣だの弓矢だの魔法だのなんて!』┓( ´△`)┏


剣はともかく魔法は使えれば役立つんじゃないか?


「しかし、初期装備ねぇ…」

俺は自分の身体を見下ろした。

黒のBDUの上下にケブラー製のフリッツヘルメット、最新のプレートキャリアにコンバットブーツ、手にはM4A1カービン、腰のベルトに着けたホルスターの中身はグロックか…まあ、どこかの王様みたいに初期装備が“ひのきのぼう”と“たびびとのふく”じゃないだけマシだが。


「インベントリには俺の私物を全部入れてくれてるんだよな?」


『うん、もう地球にある貴方の武器倉庫とインベントリを繋いであるけど…ええっと、やっぱりM4よりHK416の方が良かったかしら』(´・ω・`)?

俺の不満げな気配を察して女神が聞いてきた。


「こんなゴテゴテした銃やプラスチック製の拳銃玩具なんか使えるか!」


『ええっ!』(゜ロ゜;


M4カービンには今時の流行りのドットサイトだのマグライトだのレーザー照準器サイトだのがゴテゴテと取り付けてある。


「第一、5.56㎜や9㎜パラベラムなんぞ素人の使う物だ」(※個人の感想です)


『し、素人!』((((;゜Д゜)))

軽くディスられて自称“戦争の女神”がガクガクと脚を振るわせている。


俺はそれを無視してインベントリから俺の私物を取り出した。


黒いBDUを脱ぎ捨てグレーの都市迷彩色のBDUに着替える。

黒一色ってのは意外と目立つんだよ、特殊部隊っぽくって人気あるけど…


”女神“が鍛え上げられた俺の筋肉をチラチラ横目で見てるが無視だ、無視。

コンバットブーツを履き、プレートキャリアを装備し都市迷彩のブッシュハットを頭に被ると、脱いだBDUや銃やヘルメットをインベントリに放り込んだ。


武装はのAKM突撃銃アサルトライフルを手に持ち、ピストルグリップを着けたイサカM-37散弾銃ショットガンステークアウトをスリングで背負った。

ベルトのホルスターにはコルトM1911A1。


『そ、そんな古いモノを…』(;・ω・)


「俺はAK-47とイサカのショットガンしか信用しない」(※あくまでも個人の信条です)


俺はそうきっぱりと言いきった、まあ任務に合わせて他の銃も使うがな…


プレートキャリアにAKMの予備マガジンポーチやガバメントのマガジンポーチ、サバイバルナイフや手榴弾グレネードなども取り付けていく。


『あの、先方は落城寸前でもうあんまり時間が無いので私の用意したヘリコプターで王女の救出を…道案内は私の分体がしますので』(´・ω・`)


ぽんっ、と妖精サイズの小っちゃな“女神”が俺の肩の上に現れた、コレが分体らしい。


「ヘリの機種は?」

あっ、俺は一応ヘリコプターの操縦は出来る、自衛隊を退役した後に米国で免許を取った。

民間の免許だが、民間軍事会社P M Cに所属していた時にパイロットとして武装ヘリの運用経験もある。


『MH-60ブラックホークです、ドアガンにはM134ミニガンも付いてますよ』d(⌒ー⌒)!


「誰がドアガン撃つの?」

満面の笑みを湛えた“女神”に敢えて訊く。


『えっ』(゜ロ゜)


「俺一人しかいないから俺が操縦パイロットをするとして、誰がドアガンナーをやんの、この分体ちっちゃいの?」


小っちゃい女神がぷるぷると首を横に振る。

まあ、そのサイズじゃあムリだわな。


『ううっ』(´;ω;`)


俺は涙目の女神を放置したまま用意されたMH-60をインベントリに収納して替わりにヘリを取り出した。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る