第33話

 早速、その日から除算師を統制。「あまり」の禁止が始まった。


 すると、どうであろう。たちまちどちらの国にも偶数でも奇数でもない数、分数が現れ始めた。

 国王「7」と「2」王妃からも分数が産まれるようになった。


ここに来て、やっと、二つの国は争いをやめたのである。


「なるほど「割るもの」が居るとは考えても見なかった。だが、分数は産まれた」


 そして甘利を排除することに気がつき、平和をもたらしたユーリの名は永久に称えられるかに思えた。

 私も、そのための歌を作ろうとしていた。



 しかし、リアルは甘くなかった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る